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「攘夷がなんだという思想は奴とは無縁。まるで騒ぎを起こすこと自体を楽しんでるようだ。そんな奴がこんなデケー祭りの場を見逃す訳ねー

ってオイ!芹沢テメーどこに行くんだ!」

「ちょっと見廻り(サボり)。」



局長サンと土方クンに背を向けた瞬間


花火が、あがった。







「おじちゃーん、フランクフルトひとつ」

「はいよっ」

現在絶賛サボり中である。

せっかくのお祭りなので楽しまないと損。

いやぁいくつになってもお祭りってのはしゃいじゃうもんだねー

丁度フランクフルトの最後の一口を食べ終わったとき、ガシャンという機械音が聞こえた。

あたりを見回すと暴走したカラクリが多数いる。

…はーんナルホド。高杉の奴はカラクリ職人をけしかけた訳だ。

それで高杉自体はこの混乱を高みの見物してるってことか。

カラクリ相手じゃつまんねぇ、さっさと片付けよう。

私は腰の刀を抜き、ものの数秒で片付けた。

さァて、まつりの続きを楽しもう、と刀を収めた、刹那。






シュッ






私の左手から血が吹き出した。

犯人なんて分かりきっている。




「久しぶり、高杉。」




過激派攘夷志士、高杉晋助。

鬼兵隊総督で私の幼馴染である。


「久しぶりだなァA。

お前はいつから幕府の犬になったんだ?」


「いつからだと思う?」

ちょっと笑って見せると高杉は「相変わらずはぐらかしやがって」と深く追求はしなかった。

「てめぇは何で幕府(そこ)にいる

幕府が憎くねーのか」

彼は今にも射殺しそうな目をした。でもそれは私に向いている様で、私ではない別の何かに向いていた。

「公務員って給料安定してるんだよ」

私はそう言って踵を返す。

お前らのことを手配書で生存確認する私の身にもなれ、とぶつぶつこぼしながら歩く。

もう質問に答えるつもりはなかった。

背後にいる高杉は鋭い眼光をしたまま口を開く。



「なんで避けなかった」



私は足を止めた。

「何の話?」

とぼけて笑うと彼はいらついたように私を問い詰める。

「とぼけんじゃねぇ。てめぇなら反応できた筈だろ。何で避けも防ぎもしなかった」

私は後ろを振り返らない。

だから背後彼がどんな顔をしているかなんて知らないが、それでも



「だってお前、本気で私を斬る気無かっただろ。殺気一つでも飛ばしてから言えよ。



それに、」






泣きそうな顔、してんだろ






刀で左手を斬られたとき、一瞬だけ見えたのは泣きそうな高杉の独眼だった。

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通行人N(プロフ) - ミウラさん» コメントありがとうございます(_ _;)そう言っていただけてとても嬉しいです✨これからも更新頑張りますので、温かい目で見守って頂ければと思います。是非、また感想をお聞かせくださいね! (2023年4月2日 14時) (レス) id: 39adec4ff4 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - 本当に大好きです (2023年4月2日 14時) (レス) id: 3b25166bee (このIDを非表示/違反報告)
通行人N(プロフ) - ありがとうございます〜!自分の妄想を並べているだけですが楽しんでいただけたなら光栄です。これからも頑張るので宜しくお願いします! (2022年9月25日 16時) (レス) id: 653891ee58 (このIDを非表示/違反報告)
リンくん(プロフ) - 面白いです!これからも頑張ってください!! (2022年9月24日 18時) (レス) @page47 id: a5a7605112 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:通行人N | 作成日時:2022年7月20日 11時

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