題名は『妄想少女のベタな恋愛』【オリジナル】

ベタ３１ ページ31

何か、思い出してはいけない事を思い出してしまった気がした。


「うっ、」


それは......

あの告白の日の事だった。



「A。ちょっといい？」


とても嬉しかった。

しかし、さやの顔色が気になった。



案の定、さやの顔は強張り、

少し睨みつけているようにも感じた。



「さやっ、ちょっとごめんね。」


「あ、うん！全然問題ないよー」


周りには分からない位の小さな変化だか、

私には分かった。

とても淋しいそうな、そんな顔をしていた。



予想していた事は当たった。

「俺、Aの事が好き。付き合って欲しい。」


一瞬、嬉しかったような気がした。

「ごめんなさい」


口から出た言葉はそれしかなかった。

嬉しかった事はすぐに揉み消され、罪悪感に襲われた。


沈黙がしばらくしてから、


「じゃあねっ、」


耐えられなくなり、



逃げ出した。

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