作者達が迷い込む町 6【小説】

人間って不思議だ side「創造」 ページ39

僕の主である祀は、客観的に見てもおかしな子だと思う。
独り言は独創的で、どこかズレていて、それでいて何だか鋭いことを考えつくこともある。これだから人間を見ているのは飽きないね。真っ直ぐ進もうとして右往左往する人を見たのは初めてだよ、ふふふ。

それにしても、人間って本当に様々なんだね。祀が迷い込んだ森の中で出会ったドルバロム君は、かなり警戒をしているようだったし。スコープを覗いていたのも、この町の人の能力を観察していたんだろうから。

ああいう子は見ていて心躍るね。祀と掛け合わせて何が起こるのか。能力と無法によってどう変わるのか、或いは変わらないのか。見たい事柄はたくさんある。僕が顕現していられる3ヶ月の間に、何か大きなことが起こると良いけど。

というか、どう足掻いてもドルバロム君は僕達には敵わないと思うんだけどなぁ。能力を考えても、僕と彼は完全に上位互換だ。兵器しか造れない彼と、空想でも何でも創り出せる僕。祀は僕自体が能力だし。
それに、ね。



──概念(カミサマ)に適う人間なんて、いないでしょ？

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