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「すまない、本当にすまない」
地下牢獄、処刑に値する大罪人のみが収容される牢獄だ。そこで、あろうことか国王が、大罪人の一人に対して頭を下げていた。
「おやめ下さい国王陛下。私は国を裏切った大罪人。決して頭を下げてはなりません」
対する大罪人は、かぶりを振って確かな口調で王をたしなめた。
果たしてこの状況を信じる者がいるだろうか。いや、いるはずが無いだろう。しかし、こう言えばきっと誰もが納得するに違いない。
国王が頭を下げている大罪人。彼こそが救国の騎士、アーカリア・マクルリヴァスである、と。
「しかし、やはりわからない。何故我々は君を処刑しなければならない？ 君が何をしたと言うんだ。むしろ、君はこの王国を救ったと言うのに！」
王は頭をかきむしりながら、早口でまくし立てる。落ち着きの無いその様子に、アーカリアは困惑した。
「おやめ下さい、どうかおやめ下さい。これで良いのです。どうか、怒りをお鎮めください」
鉄の檻を挟んで行われる会話。普段ならばありえない会話が、寒々とした広い地下にこだまする。
「私は、王族の方々のために、この王国のために散るならば本望にございます。ですから、どうか」
彼は、その先をあえて言わなかった。しかし王は全てを知っているかのように言葉を続ける。
「あぁ、姫を、我が最愛の子供らを守る。この国とともに」
地上に続く階段から、鎧の音が聞こえてきた。王を迎えに来たのだろう。それを察してか、王は踵を返し、ゆっくりと立ち去った。
名残惜しそうに、ゆっくりと。
しばらくすると、二人分の気配を感じた。どうやら階段を降りてこちらにくるらしい。その正体は──
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〆切11月10日
0〜10→「気のせいだった、誰も来ない」
11〜20→「2人の家来が降りてきた」
21以上→「姫と戦友が降りてきた」
11月10日、hit数が21を越えました。
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