【ハリー・ポッター】獅子寮＋α 短編集 (ページ5)

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【ハリー・ポッター】チョコより甘いキスページ5

周りはすっかりバレンタインムード。
僕は…早く次の日になって欲しい気分だった。
だってそうだろ？あのAに好きな人が居るって聞いちゃったんだから…。
はぁ…一体誰なんだろう…。やっぱりセドリックとかかな…？
まさか…ロンだったらどうしよう…！！

「ハリー？貴方朝から顔色悪いわよ？」

「あ…いや…大丈夫！平気だよ！」

「そう…？あ、これバレンタインのチョコよ。」

「有難う。 …ロンにはもう渡したの？」

「なっ…！あんな奴どうだっていいのよ！！」

「あっ、ハーマイオニー！」

ロンの名前を出した途端、顔を真っ赤にして出て行ってしまった。
はぁ…A…君に想われてる人はとっても幸せだろうな…。

『ハリー…？さっきから何をブツブツ言ってるの…？』

「そんなのAの事に決まって…っ！ A？！」

『え、私…？ごめん、何かしちゃったかな…？』

そう言って今にも泣きそうな目でこちらを見つめてくるA。
あぁ…なんて可愛いんだろう…！
こんな彼女を独り占めするなんて…許せない…！

『ハ、ハリー？本当に大丈夫…？』

「A！」

『っは、はい？！』

「あ、えーっと…チョコはもう渡した？その…す、好きな人に…。」

『えっ？！あ、いやその…ま、まだ…。』

「そ、そっか…！なら、僕が代わりに渡してあげるよ！！」

『え？あっ、でも…。』

「大丈夫！ちゃんと君からだって伝えるから！で、誰なの？その…す…。」

『い、いいの！自分で渡すから…っ。』

まずい…！このままじゃ好きな人にチョコを渡しちゃう…！！
何とかして阻止しなきゃ…。

『…ね、ねぇハリー。あのね…ハリーは好きな人って居るの…？』

「え？！あ、あー…うん、そう…だね…。」

『っ…そっか…。想いが通じると良いね！』

「(君なんだけどなぁ…。)」

『そ、そうだ！これ、受け取ってくれないかな？』

「え…？これって…好きな人に渡すんじゃないの？」

『うん…もう良いの。だからハリーに貰って欲しいなって。』

そう言うと、ポロポロとAの目から綺麗な雫が零れ始めた。

「A…？！大丈夫…？」

『っご、ごめんなさい…っ。私…好き…なのっ…。』

「う、うん…？だからチョコ渡した方が…。」

『ハリーが…好きなの…っ！』

「…今なんて？」

『っだから…ハリーが…んっ？！』

気付いた時には既に、Aにキスしていた。
バレンタインって…最高だね！！