検索窓
今日:36 hit、昨日:8 hit、合計:7,337 hit

食堂 ページ49

「あぁ、やっぱりそうなったのね。おめでとう」

 もみじさんのセリフに、私はおずおずとうなずいた。

 昨日の件から一夜経ち、手続きの書類など諸々を出し終えたのが1時間前。疲労を感じつつ朝ごはんをいただきに来たところ、もみじさんとお会いしたのだった。

「正直実感がないです。翠様の班はみなさん優秀でいらっしゃいますし、知名度もトップレベルで…」
 
 もみじさんが入る、ならわかる。

 本当に何故、私なのか。

 プレッシャーに肩がずっと重く、眠れないほどだった。

 そんな私をもみじさんは苦笑して見つめ、「そうね」と頷く。

「まぁ、実力不足は否めないわ。確かに貴方はまだまだ荒削りすぎる」「では」「けれど」

 フォークをくるり、と回し、もみじさんはいった。

「才能がそれを越した、ってことよ。…翠が渋々ながらも認めたっていうのがその証でしょ?」

 才能。

 才能、か。

 その言葉を反芻する私を尻目に、もみじさんは最後のプチトマトを口に含んだ。

「何かあったらすぐに連絡してちょうだい。まだ私はあなたの先生のつもりだから」

 最後の言葉と、ウインク。私はじんわりと暖かく心を抱きしめながら頷いた。

アニメ化おめでとう小説(大遅刻)→←おはなし3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
16人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

沙月かぐや - 沙月かぐやさん» 結局戻ってきました。また更新をガラパゴスカメスピードで始めます。よろしくお願いします (10月28日 18時) (レス) @page47 id: f5040de9d0 (このIDを非表示/違反報告)
沙月かぐや - プロフィールにも書いたとおり、短編集を作りました。まだ何も書いていませんが、よろしければそちらもお願いします。いつも応援、ありがとうございます。 (2022年12月29日 20時) (レス) id: b3854d6ed6 (このIDを非表示/違反報告)
沙月かぐや - さくにょさん» 本当ですか!?まだ裏つくに慣れてなくて、全然そういうことに詳しくないので、教えていただけて本当に嬉しいです!書き直しますね!コメントの件ですが、お気になさらず…いつも本当に力をもらっています、ありがとうございます (2022年12月10日 21時) (レス) id: df27e88f4d (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - 最近続けてコメントしてしまっていて・・申し訳ありません💦ただ、かぐやさんが断念された「や」から始まって「つ」で終わるものですが、二つの漢字の間に全角の間を入れると打ち込めるはずです!!是非やってみてください! (2022年12月10日 20時) (レス) id: b15bd042db (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - 沙月かぐやさん» そうなんですね!嬉しいです!是非コメントを((殴  私もいつも楽しませていただいています! (2022年12月7日 22時) (レス) id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:沙月かぐや | 作成日時:2022年1月16日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。