人の部屋に入るのは、禁物です ページ42
階段を上って、Aの姿が見えなくなったあたりで、ぼくは立ち止った。
(…わからない)
彼女が何を思って、これを渡してきたのか。
少なくとも、善意の塊のように見えた。
陰謀は含まれていなそうに、本当にうれしそうな顔で、ぼくにこれを手渡してきた。
(わからないことはもうひとつ。)
最近、花夢里からの接触が後を絶たない。
｛ナポリタンフィッシュ｝の首領の言葉。
あの記事。
どう考えても、Aと関係していそうだが…。
まあいいか、と僕は歩を進める。
ヒナギクに歯向かうものは、倒すだけ。
♦♦♦
自分の部屋に入ろうとてをかけて、ん、と手を止めた。
…鍵を開けた、跡がある。
なんとなく予想はついていたので、剣の柄に手を当てながらドアを開けた。
予想通りだった。
しれっとした顔で、同僚が＿＿＿王牙が、ぶんぶん腕を、ぼくのベッドの上で、振っていた。
「…」
「よー、翠！！A無事確保できたか！！？って、ぎゃーーーす！！！」
散花。
〜少々お待ちください〜
眉間のしわをつねる。
目の前には、服を着替えた王牙。
「ここは僕の部屋だ」「おう！知ってる！」「色々と言いたいことはあるが、まず、なんでいる」「任務疲れていると思って！」
君の登場でもっと疲れたんだが。
「どうやって入った」「がんばった！」「何も返事になっていない」「こう、バッて、チャってやったらできた！！」「オノマトペもほどほどにしろ」
ここは班長室で、ロックが硬かった記憶があるんだが…。(もちろん室長室の次に。)
何かお小言を言ってやろうと思って、しかし犬のような顔をされるとどうしようもない。
ため息をついた。
「次からしないように。せめてアポを取ること」「えー、でもお前スマホ見ないだろ」「緊急時は見てる」「それ一年に何回だ？」
凡そ、三回。
とは答えず、王牙を追い出す。
背中を押しているあたりで、王牙が思い出したように言った。
「そういえば翠、そのお菓子食べるのか？」「は？」「クッキー。珍しいな、お前がそういうの買うの！」「…僕が買った訳じゃない」
まずいな、と少し思う。隠すのを忘れていた。これは魚に水を与えてしまった。
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沙月かぐや - 沙月かぐやさん» 結局戻ってきました。また更新をガラパゴスカメスピードで始めます。よろしくお願いします (10月28日 18時) (
レス) @page47 id: f5040de9d0 (このIDを非表示/違反報告)
沙月かぐや - プロフィールにも書いたとおり、短編集を作りました。まだ何も書いていませんが、よろしければそちらもお願いします。いつも応援、ありがとうございます。 (2022年12月29日 20時) (レス) id: b3854d6ed6 (このIDを非表示/違反報告)
沙月かぐや - さくにょさん» 本当ですか！？まだ裏つくに慣れてなくて、全然そういうことに詳しくないので、教えていただけて本当に嬉しいです！書き直しますね！コメントの件ですが、お気になさらず…いつも本当に力をもらっています、ありがとうございます (2022年12月10日 21時) (レス) id: df27e88f4d (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - 最近続けてコメントしてしまっていて・・申し訳ありません💦ただ、かぐやさんが断念された「や」から始まって「つ」で終わるものですが、二つの漢字の間に全角の間を入れると打ち込めるはずです！！是非やってみてください！ (2022年12月10日 20時) (レス) id: b15bd042db (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - 沙月かぐやさん» そうなんですね！嬉しいです！是非コメントを((殴 私もいつも楽しませていただいています！ (2022年12月7日 22時) (レス) id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙月かぐや | 作成日時：2022年1月16日 16時
