インターバル:もみじの観察 ページ32
今、めちゃくちゃ面白いものを見た気がする。
私は、首を傾げたままに、通り過ぎていった同期を眺めた。
私の名前は秋風もみじという。
ヒナギクの薬 物取締班に所属していて、先ほども言ったように翠の同僚であり、そして。
つい最近やってきた少女のお目付役兼教育係でもあった。
なぜお目付役なのかといえば、相手が『花夢里』だから。あそこの家ならば、わざと役立たずに見せかけたものを送り込んできて色々企んでいてもなんら違和感はない。
…まあ、その疑いはAに色々教えている間に、すぐになくなったのだけれど。
本当に、スパイ一家の長女としてはなんの能力も身につけていなかった彼女は、指導にヒイヒイ言いつつもだんだんと実力を上げてきている。
むしろこの短期間に実力が上がりすぎだと思わなくもないが…。
話を戻そう。
私は今、確実に、同僚の翠がAを姫抱きしていたのをみた。なんなら二度見した。
ついでに言えばAは顔を真っ赤にしていた、まあそれはそうでしょうけど。
というか何があった。本当に。
首を傾げ続けていると、「お!もみじ!」と後ろから明るい声がした。
振り向けば、これまた同僚の王牙がぶんぶんと手を振っている。手を振りかえした後、彼ならば何か知っているかもと思い、質問してみた。
「ねえ、王牙。さっき翠がAを持ち上げてたのだけど、何があったか知っている?」
「ん!?いや、俺もわからん!おいだされたからな…」
…相変わらず説明下手だなと思いつつ、詳しい事情を聞いてみると。
朝からAの顔色が悪かった。
なぜか翠がその様子を見咎めた。
そして自分(王牙)に先に朝飯を食べるようにいい、翠自身は何やらAに声をかけていた、とのこと。
…それは、また。
「珍しいこともあるものね」「本当だよな。まさか翠が他人を気遣うなんてな!」
さらっと容赦ない発言することあるわよね、王牙って。
と、ちょっと背筋を凍らせつつ。
さて、今あちらで何が起こっているのやらと、後でAに聞いてみようと思う私であった。
16人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
沙月かぐや - 沙月かぐやさん» 結局戻ってきました。また更新をガラパゴスカメスピードで始めます。よろしくお願いします (10月28日 18時) (レス) @page47 id: f5040de9d0 (このIDを非表示/違反報告)
沙月かぐや - プロフィールにも書いたとおり、短編集を作りました。まだ何も書いていませんが、よろしければそちらもお願いします。いつも応援、ありがとうございます。 (2022年12月29日 20時) (レス) id: b3854d6ed6 (このIDを非表示/違反報告)
沙月かぐや - さくにょさん» 本当ですか!?まだ裏つくに慣れてなくて、全然そういうことに詳しくないので、教えていただけて本当に嬉しいです!書き直しますね!コメントの件ですが、お気になさらず…いつも本当に力をもらっています、ありがとうございます (2022年12月10日 21時) (レス) id: df27e88f4d (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - 最近続けてコメントしてしまっていて・・申し訳ありません💦ただ、かぐやさんが断念された「や」から始まって「つ」で終わるものですが、二つの漢字の間に全角の間を入れると打ち込めるはずです!!是非やってみてください! (2022年12月10日 20時) (レス) id: b15bd042db (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - 沙月かぐやさん» そうなんですね!嬉しいです!是非コメントを((殴 私もいつも楽しませていただいています! (2022年12月7日 22時) (レス) id: 075aa05b66 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:沙月かぐや | 作成日時:2022年1月16日 16時