君を信じてみたいから

恋バナ。 ページ22

「それで。婚約者さんって、どんな感じなんだ？」

　任務終わって、さあ帰ろうとしていたらこれだ。話を聞くと、六美が気になっているのだという。

　翠ははああああと盛大にため息をつきたかったが、それはそれであのシスコンがうるさそう。だって六美の興味あるものは意地でも手に入れそうだから、黒スーツは。と頑張って抑える。彼は忍耐力があるのだ。

　子犬のようにキラキラと目を光らせる太陽から目を空し、「別に」とそっけなくいう。

「特に何もない。強いていうなら、本当に弱い。婚約者でなければ、今すぐに追い出したいさ」

「今すぐに、って…」

　バッサリと切り捨てた翠をこまった瞳で見つめた太陽は、「もう少ししたら、成長するかもしれないだろ。それまで待つのも…」

「悪いけど、今スパイ業界は人手不足だ。あんないつ折れるともわからない花を育てる趣味は、僕にはないよ」

　すげなくあしらい、翠はもう質問に答えただろうと足を早める。

　今頃、教育係となったもみじはどうしているやら。

　見上げれば、曇り空が広がっている。

　雨が、降りそうだった。



♦︎♦︎

まず最初に、盛大な土下座を。
ほんっっとうに更新が遅れて申し訳ありませんでした！しかも話が暗い！暗すぎる！
ハピエン厨なので絶対意地でもハピエンにしますが、時間かかります。ごめんなさい。

あとまた更新遅れます。ごめんなさい。

どうしようもない作者ですが、ゆっくり見守っていただけると幸いです。

最後に謝辞。いいね(？)11人ありがとうございました！
　

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