Butterfly -tkin- 《1》 (ページ26)

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大貴side

いつもは軽い俺のリュックも、
今日に限ってはクソみたいに重い。

まぁ計画的にロッカーの中身
持って帰らなかった俺が悪いんだけど。

.

ボスンとリュックを部屋に投げ飛ばして、
また玄関から外に出れば。

大｢お、山田。｣

涼｢あー、大ちゃん。｣

伊野ちゃんの家によく居座る知念にくっついて
たまに伊野尾家に顔を出す、
知念の同級生の山田涼介に出くわした。

俺が伊野ちゃんと仲良いのもあって、
山田ともすっかり顔見知りだ。

…そして男の俺でも惚れてしまうほど、
この子の顔は国宝レベルに整っている。

俺よりも背が低いくせに
綺麗な顔して大人びいた態度してるから
たまにそれがちょっとだけ腹立つけど。

大｢どうした？｣

涼｢いや、今日学校終わったら
知念と遊ぼうって言ってたのに
知念、時間になっても来ないから…

また約束忘れて伊野ちゃんのとこ
行ってんのかなーって。｣

大｢おっ、お前いいとこに来たな。

俺もちょうど今から
伊野ちゃん家行くんだよ｣

お前も一緒に行くか！と
山田の肩をグイッと引き寄せれば、

涼｢触んな、笑｣

ちょっと嫌そうな顔してそれを払う。

でも俺が、ひっでぇ～って顔したら
へへっ、って今度は楽しそうに笑って。

いつも俺の事を " ちょうどいいブス "
とか言って馬鹿にしてくるけど、

それも含め、なんか山田は弟みたいで
可愛いやつなんだ。

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