うみとゆき -tkin- (ページ2)

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涼介side

セカンドシングルのPV撮影で、
センターは俺だと言われた。

裕翔くんは少し困惑した表情を浮かべてたけど、
すぐにそれを受け入れた。

そうするしかなかった。

涼｢…はい、｣

なんでいきなり俺がここに立つのか、
これは一時的なものなのか、

何も分からないまま、
俺は初めて彼の代わりに真ん中に立った。

.

それからは、今まで以上に
裕翔くんとの距離が遠くなって。

頬をくっつけてカメラに笑顔を向けていても、
内心お互い好きにはなれないまま

｢山ちゃん｣｢裕翔くん｣なんて
上辺だけの仲良しごっこ。

それがイライラに変わって、
冗談のつもりでやったことから
殴り合いの喧嘩になったこともあった。

宏｢お前ら、いい加減にしろ！｣

高校生組に引き剥がされて、
荒い息をしてるのは俺も裕翔くんも同じ。

…なんで、

ずっと欲しかったものを手に入れたはずなのに
こんなに苦しいの？

侑｢…けんか、しないで｣

振り返って見えた不安そうな知念の瞳に、
ガキのまんまの今の俺が映って

涼｢…ごめん｣

やるせないままの感情をぎゅっと呑み込んだ。

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