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雄也side





雄「あーあ、消えちゃった。

あれ、有岡くんたちは?」





なんか暗い花火を不思議に思いつつ
辺りを見渡せば、俺と伊野尾くん二人きり。





慧「なんか向こうの方行っちゃった笑」





雄「お互い夢中になりすぎたかもね、」





慧「いいじゃん。

…高木やりたかったんでしょ?これ」





雄「えっ」





なんでそれ…





もしかして伊野尾くんあの時
俺と有岡くんの話聞いて──





ふわり、





その時、空から冷たい何かが降ってきた。





雄「──雨?」





慧「違う、





……雪だ」





サングラスを取って見えたのは、
手のひらに落ちてはすぐに溶けて消える
半透明の綺麗な粉雪だった。





雄「珍しいね、この時期に」





慧「夜だから気温が低くなって、
雨が雪になりかけてるんじゃない?」





雄「でもこれじゃ積もらないね…」





慧「ふふっ、たかぎほんと子供みたい」





ただ思ったことを言っただけなのに、
伊野尾くんはそう言って笑う。





雄「…へへっ、」





それだけでなんか、嬉しくなって。





大きな月がぽっかりと浮かぶ夜空に、
優しい波の音と大好きな潮の香り。





俺のくだらない事に付き合って、
寒そうに頬を赤くしながら白い息を吐く





こんなに綺麗な人を、
俺が一番近くで見てるんだって思ったから。





.

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作者名:Jasper | 作成日時:2019年3月15日 13時

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