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慧side





俺が鍵盤を押して、高木が声を乗せる。





慧「…」





やっぱ高木の声、好きだな…





本人は気に入ってないらしい低い声が、
柔らかそうな旋律に交わって





高木が目配せしてきたらもう、
焦って音間違えちゃうじゃないかってぐらい

緊張して弾いてるっていうのに。





.





雄「ありがとっ伊野尾くん!」





曲が終われば無邪気な顔してる。





慧「じゃ、次は俺のソロね」





だからこそ、高木と触れ合うチャンスは
意地でも逃さなかった俺もさすがだ。





だってさぁ、人前で堂々とイチャコラしようなんて
こうでもしなきゃ無理でしょ。





雄「え、ほんとに衣装着てやるの?」





慧「練習は本番のように、ってよく言うじゃん」





まぁ、単に高木のせくしーなの
見たかっただけなんだけど。





雄「うーん、確かにそうかなぁ」





…こいつ、やっぱりバカなんだな。





ちゃっかり鎖まで用意して、
あいつが俺の後ろに立って。





高木とはノリで抱き合ったこともあるけど、
やっぱりあいつの体温は高いままで
…それがなんか腹立つ。





侑「え、あの人たちなんで衣装でやってんの」





裕「きゃー、もう隠すこともしなくなっちゃった」





腐男子裕翔がこっち見てシャッター
押してるのが若干気になる中、

俺は高木との時間を存分に楽しんだ。





.

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作者名:Jasper | 作成日時:2019年3月15日 13時

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