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雄也side





リード曲の練習で、有岡くんと
「いつの間にかだった。ここが動かない」
なんてお互いの身体の痛みを共有した後。





ついに待ちに待ったソロ曲の
練習の時間がやってきた。





慧「たかぎの曲からやる?」





さっきので疲れたのか、
なんだか眠たそうな顔した伊野尾くん。





雄「いいけど…ピアノ弾ける?」





慧「よゆー」





ふわりとその口角をあげて、
伊野尾くんは用意されたピアノに指を置いた。





いつもはその後ろで伊野尾くんを抱きしめるように
一緒に弾かせてもらってたけど、



今度は向かい合って。





相変わらず、鍵盤に視線を落とす
優しげな瞳は本当に綺麗だ。





慧「──たかぎ?」





雄「えっ」





慧「歌わないの?」





その言葉に、伊野尾くんがもう
前奏を弾き終えてることに気づく。





やべ、見蕩れてて全然聴いてなかった。





雄「あっごめん、もう1回お願い」





慧「しょうがないなぁ」





俺ひとりだけがバラードなんて、
最初は苦手だし嫌だって思ってたけど

伊野尾くんが伴奏してくれるって聞いて
すぐにレコーディングしちゃう俺は
伊野尾くんに惚れすぎているらしい。





.

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作者名:Jasper | 作成日時:2019年3月15日 13時

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