DROP -mmru- 《番外編》

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目黒side





白く煙る熱い湯気、ふわりと香る甘い香り。





頬を真っ赤に染めるその子は、
無言のまま俺に抱きついてきて





何の隔たりもなく触れ合う濡れた肌と
それに相対するようにすれ違う視線に、

俺はその華奢な背中に腕を回した。





「…じゃあ、いつ呼んでもいいように
ずっとそばに居て。」





抱き締めたまま、小さな声で呟く
ラウールの表情は見えない。





でも、それは俺の言葉に答えるだけのものでは
無いような、どこか切ない余韻を含んでいて





そういえば、最近はドラマの撮影ばっかで
全然こいつと一緒に過ごせてないなって

不意に思い返したとき、
その言葉の真髄に触れた気がした。





.





寂しいんだ。





ラウを残して楽屋から少し離れただけで
俺を探しに来るこいつのことだから、

仕事のせいだって受け入れても、
本当はずっと寂しかったはず。





目「──らう、」





…でも、あんまり追いかけたら嫌われるって、
また余計な心配してるんでしょ？





目「ごめんな、」





一緒に居てやれなくて、





一人にさせてばっかで、ごめん。





「…わかってるよ、」





" めめのせいじゃないもんね、
めめは頑張ってるだけなのに、"





そう呟いた後で、俺の背中に回された
ラウの手がだらんと落ちて





不意に離れたその細い身体に、
顔を上げて見えたラウの表情は曇ったまま。





「俺の方こそ、…重くてごめんなさい」





大事にしたいのに、これ以上傷付けたくないのに





今目の前でラウにこんな顔させてるのが
俺のせいなんだって思ったら、胸が苦しくなって

俺はその白い頬にそっと手を添えた。





.

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