酔いｶﾚ。短編集

002. ページ6

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「おーい、岸くん、ちょっといい？」



部長に呼ばれたのは、今年入ってきたばかりの岸優太くん。



「ここ、発注ミスあるけど？」




「え？！まじすか？すいません、今すぐやり直します！」



「しっかりしてくよ〜？」



「はいっす！」




適当なのに愛嬌があるから、どこか恨めなくて


私とは正反対。
羨ましいって思ったり。



「あ、岸くんそれ終わったらあがりでいいから！」



「はい、了解っす！」



部長のお気に入りだし？



それと違って、私は…



「今回の件の報告書、今日中に出すように。」



『はい、わかりました。』



愛想のない返事。





岸くんは、私の隣の席だから身を乗り出してきた。




「先輩、なんかあったんすか？」




デリカシーないよね。こいつ。



『プロジェクトでミスしちゃってさ、反省文みたいな感じ？』




「そうなんすねー、頑張ってください！」




軽いな〜、ヘラヘラして応援されてもな。



イライラするだけ。

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