酔いｶﾚ。短編集

002. ページ23

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『玄樹くんこそ、いいの？』




「あんまワイワイすんの好きじゃないから。」



『…うそ、意外。』



「ふはっ、よく言われる」



『なんか、モテそうだからさ…』



「そうかな？でも、一途だよ？俺」



『ごめん』



「うん、許す。」



そう言って微笑む玄樹くん。



『一途か…玄樹くんが彼氏なら幸せだね。』


なんで、出てくるの。
あんな奴の顔が。



「なる？俺の彼女に」



『うん…って…へっ？！』



ニコニコ微笑むだけの玄樹くん。



『わ、私、トイレ行ってくる！』



耐えきれずに、そう言ってトイレに逃げる。





丁度、出てきた人とぶつかって
少し、お酒が溢れる。



『あ、ごめなさい！』



「久しぶりやね。」




この声と、このイントネーション。



『紫耀…。』




「よっ！なあ、今から抜け出さへん？」




『は？何言ってんの。』




「やり直さへん？俺ら。」



『…っ、ふざけないで。私がどんな気持ちで…』




・



「Aちゃーん？」



聞こえてくる玄樹くんの声。



・



紫耀に腕を引かれて、トイレに入る。

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