【ナンバカ】南波刑務所恋物語【短編集】《リクエスト停止中》

密か心【猿門】《くにみさんリクエスト》 ページ30

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A
5舎囚人。猿門が好き。
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【猿門side】
俺には誰にも言えない秘密がある。

こんなことがあるだなんて俺は看守失格かもしれないな。

俺は、とある囚人に恋をしたんだ。


そいつは、A。

犯罪者とは思えないほど優しくて、可愛くて、

そして、だれよりも愛おしい。

そんなAに俺は恋焦がれる。


囚人と看守の恋だなんてダメに決まっている。

だけど‥やっぱりこの想いを諦めることはできないのだろうか。


最初は「想うだけでいい」なんて思ってたけどやっぱ無理だ。


叶わない恋だと思えば思うほど胸が痛くなる。



ある日のこと‥Aに告白された。

A「猿門さん‥ずっと前からあなたのことが好きです…！」

そ言葉は夢みたいで、とても嬉しくて。

だけど‥

猿門「俺は看守だしA、お前は囚人だ。だから‥ごめんな」

本当はこんなこと言いたくないんだ。

A「ははっ…そう、ですよね‥」

本当はこんな顔させたくないんだ。


Aは眉を下げ、無理に笑顔を作る。

目には涙が今にも溢れそうなぐらいたまっている。


A「私はただこの想いを伝えたかっただけですから…それでは」


そう言ってAは俺に背を向けた。


俺はただ下唇を噛み、黙ってAの背を見送ることしかできなかった。

それが悔しくて悔しくて、涙が出てきちまったよ…




もうAへの恋は決して叶わないものなのだろうか‥

俺の密かな恋はもう幕を下ろしてしまうのだろうか＿＿＿＿＿＿

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