もし勇者が女の子だったら

３６ 真実 ページ38

ミランダ「…夫はですね、カミュ様を助けようとして王様にオーブを返したらしいのですよ。」





「…そうだったの、ですか。…貴方は、デクさんが盗賊と知った上でご結婚を？」





ミランダ「ええ。身分や職業なんて関係ありませんもの。」








関係ない…。差別化がない心とは、この人もいい方だなあ。







「…話を、戻しますが。そのお金を裏から回していた…とかですか？」






ミランダ「えぇ。聞いたところによるとそうらしいです。」



賄賂、か。




裏切らず、宝より仲間を優先した。






「…デクさんは、仲間思いな方ですね。」





ミランダ「…自慢の、夫です。」




こうしてミランダさんと話し終えると、あちらも誤解が解けたみたいだ。





「…誤解は、とけたみたいだね。」




カミュ「ああ。けどな…オーブは行方知れずか…。」




デク「フフフー。それなら大丈夫。安心しちゃってよーアニキ！…ちょっと店の外まで付いて来て！Aさんもね！」






＊





夜の涼しげな風が、そっと頰を撫でた。





カミュ「どうしたんだよデク？何に安心しろって言うんだ？」





デク「私国にオーブを返した後も、人を使ってオーブの行方ずっと追ってたのよー。アニキが大事にしてたの、知ってたからね。」




デクさんによれば、



グレイグがデルカダール神殿に移して厳重に守っている。





だ、そうだ。





カミュ「デルカダール神殿だって？」





カミュが聞くと、デクさんはこくんとうなずく。







カミュ「確かデルカダール神殿はここから南東、Aの住んでたイシとかいう村も多分その方角だな。」









…南東なんだ(今更)

３７ 進め→←３５ デク

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す