【鬼滅の刃】生きるために刀を握れ！ 肆

第175話 ページ45

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――現世の姉とは、似ても似つかなかった。

姉の髪は少し茶色がかっていたし、瞳は黒じゃなくて薄紅だった。顔立ちも、どこか似ている部分があるわけでもなく、知らない人からすれば姉妹には見えないような。

でも、間違いなく、あの人は現世の私の姉で、今、私の目の前に居る彼女は、



『(姉さん…！)』

「おやおや、そう興奮せずもう少し話を…」

『氷の呼吸 肆ノ型 氷肌玉骨!!』



と、技を出せば、相殺される攻撃。



「丁度良いところに、白漓(はくり)」

「ああ、本当に。見つけたぞ、サガシモノ」

『(目に"白"…青琶が言ってた残りの2体の…)』

「コイツの相手は俺がする」

『はあ？私が用があるのはそっちだから…!!』



一瞬で目の前に来たと思えば、長い爪のような刃で私を牽制する白漓。



『くっ…！』

「さあ、共に来てもらおう、サガシモノ！」

「A！」

『時透くんはっ、そっちの鬼を…！』



ギリギリ…と刀で刃を受けるも、力技でそのまま吹っ飛ばされる身体。

…くそ、また面倒な…。



「闘え。本気で闘わなければ殺してしまいそうだ」

『舐めたことを…』



刀を構えれば静まり返るその場。

ジリ…と足が地面を擦れる音がなった瞬間、ドォン！と森の中で轟く音。



「…後悔すればいい、人間に戻ったことを」

『あ？』

「そして喜べ、再び鬼になれることを!!」

『意味わかんないし。

氷の呼吸 参ノ型 氷釈』



技を出すも躱され、今度はこちらへ刃が飛んでくる。



『(霧のような刃…飛ぶのか…厄介だな…！)』



…コイツの強さがイマイチわかんないけど、朱焔と青琶よりは上だ。そんな感じ(･････)がする。

暫く攻防を続けていれば、近くでドォオン！と聞こえた音。



『(時透くんの方…！)』

「随分と余裕だな」

『!!』



――――



「うわああ！」

『氷の呼吸 壱ノ型 氷雨』



スパン！と鬼を斬り、小鉄くんの身体を抱えて少し離れた場所へ下ろしてあげる。



「ううっ…怖かった…」

『大丈夫。少しだけ待っててね』



そう言って背を向ければ、ひっ…と後ろで声を零した小鉄くん。



「あ…Aさん…！そ…それ…」

『……』



ニコリと笑い、シーと言うように人差し指を立てて走り出せば、Aさん!!と大声で私を呼ぶ小鉄くん。

…ごめんね、ありがとう。でも、私は行かなくちゃ。



『(さっき一瞬見えた…時透くんが水の中に閉じ込められていたのを…)』



…急げ、誰も殺させはしない…!!

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