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第166話 ページ36

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――遊郭での上弦との闘いから2ヶ月が経った頃だった。



「A!おかえりなさい!朗報!」

『な、なに!?』

「炭治郎さんが…目を覚ましたの!」



蝶屋敷へ戻ってきた時、アオイからそう聞き、急いで炭治郎の眠っていた部屋へ行けば、カナヲが傍で座っていた。



「A…!おかえりなさい」

『ただいま…って、あれ…炭治郎…目が覚めたって…』

「うん…今はまた寝てるけど…」



そう言うカナヲは柔らかな笑みで炭治郎を見つめながら言った。

私も炭治郎の寝顔を見れば、なんだか力が抜け、その場に座り込んだ。



『そっかぁ…!』

「ど、どうしたの?大丈夫?」

『うん。なんか安心しちゃって…あの時、炭治郎には無茶させたから…』

「…でも、生きてる。ちゃんと、生きてるよ」



カナヲにそう言われ、そうだね、と返事をして立ち上がる。



『ありがとう、カナヲ』

「?」

『…炭治郎、ごめんね』



彼の傍に行って、眠る炭治郎の頭を撫でてやれば、A…?と弱々しく名を呼ばれる。



『!炭治郎…!』

「A…か…」

『うん…そうだよ。ごめんね、無茶させて』

「……A」

『ん?なに?』



声が小さいため、顔を寄せれば、そっと私の頬に触れる炭治郎の手。



「…人間に…戻ったんだな…」

『!』

「よかった…また…一緒に…歩けるな…」



そう言って微笑みながら、頬を撫でるように手を滑らし、再び目を閉じた炭治郎。

…ずるい、ずるいよ、炭治郎。



『ほんと…ずるい……もっと…自分の心配しなよ…』



自然と溢れ出た涙。

炭治郎を見れば、彼は少し微笑みながら眠りについていた。



* * *



「Aちゃん」

『ん?どうかした、善逸?』



ふわりと笑ってこちらを向く彼女からは、他の人と同じ人間の音と、彼女独特の優しくて柔らかい音が聞こえる。



「(あぁ…本当に、人間に戻れたんだなあ…)」



そう思うと同時に込み上げて来る感情に、自然と手が伸びた。



『善逸?』

「よかった…」

『!…うん、ありがとう』



俺が頬に手を添えれば、そう言って笑うAちゃん。

その笑顔は、相変わらず綺麗だった。



『ありがとう、本当に。善逸はいつも気にかけてれるね』

「そりゃ…」

『?』

「…いや…なんでもないよ」



言えない理由は決まってる。



「…はぁぁ」

『??』

「(…好きだ…)」



心の中でしか言えないのは、怖いから。

Aちゃんの事が、本当に好きだから、言えないんだ。

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たくあん(プロフ) - ひまわりさん» コメントありがとうございます!!(*´`*)嬉しいです!( ; ; )かなりの話数なのに!( ; ; )ありがとうございます!続編でも頑張ります!(*^^*) (2019年11月6日 12時) (レス) id: 217fb630d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり - コメ失礼します!一気読みしちゃうくらい面白かったです!続きを楽しみに待っています\(^o^)/ (2019年11月5日 23時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - こね子さん» コメントありがとうございます!!めっちゃ嬉しい( ; ; )楽しんで頂けてよかったです!更新頑張ります!(*^_^*) (2019年11月1日 12時) (レス) id: 9978d450db (このIDを非表示/違反報告)
こね子 - すんごく面白いです!!今日、1話から一気読みさせて頂きましたが!先の展開が読めなくて続きが気になって仕方ない!!笑 更新楽しみに待ってます! (2019年10月31日 21時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ゆりかもめさん» コメントありがとうございます!(*^^*)めちゃくちゃ嬉しいです!!( ; ; )リクエストもありがとうございます!余裕が出てきたら書かせていただきますね!!(*^^*) (2019年10月27日 19時) (レス) id: 4fbafed690 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たくあん | 作成日時:2019年8月9日 0時

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