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第156話 ページ24

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いつかは、そう言い出すのではないかと、心のどこかでわかってはいた。



「…はぁ……」



昨夜のことを思い出しては、頭の中で渦巻く思考。

…鬼のままなんてダメに決まってる。必ず人間に戻す。あの子に幸せになってほしい。なら、私はどうすれば。



「(…あぁ…今なら、姉さんの気持ちもわかる気がする…)」



Aもカナヲも、自分の本当の妹のように接してきたから。だから、人並みの幸せを手に入れて欲しい。

憎悪に塗れた私の心では、手に入れられない、純粋な幸せを、彼女たちに掴んで欲しい。



「(あの太陽のような笑顔を…私は守りたい…)」



『"しのぶさん!"』

「"師範!"」



「(守りたい…のに……)」



頭の片隅で、Aを利用するような思考さえも巡る。

鬼のままの彼女は、今現在間違いなく無条件に強い。例え、血鬼術が不完全でも、柱の実力に鬼の身体能力が上乗せされる状態だ。



「(…やめなさい。違う、私は彼女に"そうなって"欲しくないの…)」



…Aを人間に戻す。そして、姉さんの仇を討つ。そうしたら私は…。

"もしも"の未来を想像すればするほど、そこに、自分の姿が浮かべられない。



「(今だからこそ、思ってしまう…。もう少し、Aやカナヲ達と生きていたいと…)」



願わくば、成長する彼女達を見届けたいと。

でも、それもきっと叶わない夢なのだ。何せ、自分の身体のことは、自分が一番よくわかっている。

まだ、Aにもカナヲにも言ってない。自分の身体のこと。



「(もう1年以上経つのか…早いなあ……)」



まだ言えない。もう少し、機会を伺わなければ。



「(Aには怒られそうだな…)」



けれど、私は彼女ほど綺麗な理由を持ち合わせていない。

鬼から人を守る鬼殺隊を守りたいと、そう心の底から願う優しい彼女。

本来なら、刀なんて握らせず、平凡な暮らしを送らせるべきなのだったのに、神様はそうさせなかった。



「(本人はきっと何も思わない。周囲の方が余っ程思う…彼女は、残酷な運命を辿らせられていると)」



鬼による家族の惨殺。己の稀血。虚弱体質。そしてその恨めしい鬼の細胞。

私からすれば、Aの持つ優しさでさえも、酷く思えてしまう。

全てを救わんとする、その優しさが仇となるのだ。



「…A……」



今日も普段通り任務へ出ているであろう彼女。

…ああ、どうか…少しでも彼女に限りない幸せを。

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たくあん(プロフ) - ひまわりさん» コメントありがとうございます!!(*´`*)嬉しいです!( ; ; )かなりの話数なのに!( ; ; )ありがとうございます!続編でも頑張ります!(*^^*) (2019年11月6日 12時) (レス) id: 217fb630d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり - コメ失礼します!一気読みしちゃうくらい面白かったです!続きを楽しみに待っています\(^o^)/ (2019年11月5日 23時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - こね子さん» コメントありがとうございます!!めっちゃ嬉しい( ; ; )楽しんで頂けてよかったです!更新頑張ります!(*^_^*) (2019年11月1日 12時) (レス) id: 9978d450db (このIDを非表示/違反報告)
こね子 - すんごく面白いです!!今日、1話から一気読みさせて頂きましたが!先の展開が読めなくて続きが気になって仕方ない!!笑 更新楽しみに待ってます! (2019年10月31日 21時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ゆりかもめさん» コメントありがとうございます!(*^^*)めちゃくちゃ嬉しいです!!( ; ; )リクエストもありがとうございます!余裕が出てきたら書かせていただきますね!!(*^^*) (2019年10月27日 19時) (レス) id: 4fbafed690 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たくあん | 作成日時:2019年8月9日 0時

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