第147話 ページ14
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「チッ…(厄介なモンを目覚めさせたかあ…?)」
『(まだ…死んでない……彼は…生きてる……)』
辛うじて
力を込めれば無くなった手が生え、ボタボタと滴り落ちる血は地面に落ちると、じゅわりと音を立て土を溶かしてく。
一呼吸した瞬間、鬼の懐へ飛べば血の刃を向け迎撃してくる鬼。
『……』
「(猛毒だぞ…巡る前に浄化しているのか…?!)」
『…血鬼術
「がはっ…!!」
血の付いた手で殴り、その瞬間で血鬼術を出せば、鬼の身体から藤色の華が咲いていく。
日輪刀を手にし、鬼の頸を取ろうとすれば、襲いかかってきた帯。
私が怯んだ瞬間、鬼は地面を蹴って屋根の上へと飛び移る。
『(何で、こっちから離れ…)』
目で動きを追いつつ、攻撃態勢を取ったまま視線を変えれば、堕姫の頸を持ち、ぶすり、と伊之助の心臓辺りを貫く血の刃。
『!…氷の呼吸 壱ノ型 ひさ…』
「鬱陶しい奴だなあ、お前。毒も…うぜぇなあ…さっさとくたばれよなあ…」
『(避けきれ……)』
ドスッ…
と、心臓が貫かれれば今度こそじわじわと薄れ行く意識。
…だめだ、毒の浄化…身体の回復…全部…間に合わない……。
『(まにあ…)』
「!(鎌が抜けねえ…)」
『ごほっ…氷の…呼吸…漆ノ型 氷瀑』
「お兄ちゃん!!」
「A!!」
超至近距離で技を放てば、その勢いで刃が抜け、再び下へと落ちていく身体。
…全部、ゆっくりに見える…落ちる感覚も、帯の動きも、鎌の動きも、
『(鮮明に…それでいて鈍く見える…もう1発…)
氷の呼吸 肆ノ型…』
「本当に気持ち悪い奴だなあ…」
『…くたばれクソが』
「お前がなぁぁ!」
ドォン!と地面に叩きつけられ私の意識は朦朧とし始める。
そんな中で飛び込んできたのは、血相を変えこちらへ叫ぶ炭治郎と善逸の姿。
『(…炭治郎…善逸…逃げて……)』
* * *
「(やっと落ちやがったかあ…あいつ…)」
…厄介な血鬼術だなぁ、浄化に時間がかかる…。
「…おい、今のうちに"サガシモノ"を捕らえて…」
と、歩き出そうとすれば、ガクン、と地面に膝がつく。
「ちょっとお兄ちゃん!?」
「チッ…(思ってた以上の効果だなあ…)」
「そんな毒早く治してよ!鬼擬きの攻撃なんて大したこと…」
と、そこで覚える違和感。
「…は?」
「お兄ちゃん!!」
ズッ…と視界がズレたと思えば妹の頸は飛んでいた。
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たくあん(プロフ) - ひまわりさん» コメントありがとうございます!!(*´`*)嬉しいです!( ; ; )かなりの話数なのに!( ; ; )ありがとうございます!続編でも頑張ります!(*^^*) (2019年11月6日 12時) (レス) id: 217fb630d3 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり - コメ失礼します!一気読みしちゃうくらい面白かったです!続きを楽しみに待っています\(^o^)/ (2019年11月5日 23時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - こね子さん» コメントありがとうございます!!めっちゃ嬉しい( ; ; )楽しんで頂けてよかったです!更新頑張ります!(*^_^*) (2019年11月1日 12時) (レス) id: 9978d450db (このIDを非表示/違反報告)
こね子 - すんごく面白いです!!今日、1話から一気読みさせて頂きましたが!先の展開が読めなくて続きが気になって仕方ない!!笑 更新楽しみに待ってます! (2019年10月31日 21時) (レス) id: 22b40083c6 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ゆりかもめさん» コメントありがとうございます!(*^^*)めちゃくちゃ嬉しいです!!( ; ; )リクエストもありがとうございます!余裕が出てきたら書かせていただきますね!!(*^^*) (2019年10月27日 19時) (レス) id: 4fbafed690 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年8月9日 0時