第68話 ページ24
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『やっぱり、噂は本当みたいですね』
「ああ」
湖の近辺にあった小さな集落で聞き込みをすれば、近所の〇〇さんが、や、向かいの若い夫婦が、など、人が居なくなったという情報が入る。
『この集落自体は日が差して昼間は大丈夫そうなので、鬼が連れ去るというより、皆肝試し程度に踏み入ってるのでしょうか…』
「その可能性が高いな。とりあえず行くぞ!」
スタスタと歩いていく煉獄さんに、慌ててついていけば、すまん。と私に歩幅を合わせてくれる煉獄さん。
『…入口からなんか漂いますね』
「うむ。気をつけるぞ」
『はい』
刀を腰に差し替え、ザッザッと草木を分けて奥へ進んでいくと、ポツンと先に見える若い女の姿。
『(…幽霊…だな…)』
「…!おね、がい…!」
私の姿に気がつくと、勢いよく私の両肩をガシッと掴む彼女。
『ひっ…』
「…A?」
「おねがい…!たすけて…!助けて!」
『まっ、わ、わかりました…!と、とりあえず離れて…』
「あの人が…取られちゃう…あの人…死んじゃう…!お願い…あの人だけでも…!」
『(もしかして、まだ生きてる人がいる…?)
…この先に居ますか?』
そう尋ねるも、彼女はただ泣くだけだった。
そっと頭を撫で、大丈夫、大丈夫。と優しく肩に触れると、フッと消える彼女。
「…奥に誰かいるのか?」
『恐らく…。急ぎましょう』
足を早め進んでいくと、少しだけ光が見える。
その開けた場所に出れば、
『…凄い…』
「あぁ…」
透き通った綺麗な湖がそこにあった。
昼間の筈なのに、確かにそこには光がない。それでも、周囲のものに反射している湖は、とても綺麗だった。
…でも、なんだ…この…
『(まるで…故意に…誰かが作り出したかのような…)』
と、その時、ふわっと漂う鬼の気配。
そして、それは…目の前の湖から…。
『煉獄さん!きます!』
「!」
急いで湖から離れれば、バシャン!と激しい水音と共に鬼が現れた。
「また…人間…よく…ズケズケと…私の領地に…」
『(鬼…)』
「……」
「また…男と女…何故…?ずるい…ずるい!」
「『!』」
ドォオン!
と激しい音と共に自分が吹っ飛ばされたのがわかった。
「A!」
『ゲホッ!大丈夫ですっ…!』
「あら…あなた…さっきのより…イイ男…」
「!」
ガキィン!と攻撃を受け止めた煉獄さん。
「…うむ、その男の居場所はどこだ?」
「ふふ…さすがに…教えない…」
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たくあん(プロフ) - ロアさん» コメントありがとうございます!!柱なので頑張ってもらっちゃいました!!!((笑 ありがとうございます( ; ; )頑張ります( ; ; ) (2019年12月27日 0時) (レス) id: 0c6fafeba7 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 夢主ちゃん、下弦とのエンカウント率高www((更新頑張ってください!! (2019年12月22日 16時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ふらんさん» コメントありがとうございます!!ご期待に添える展開に持っていけるか不安ですが、更新頑張っていきます!!ありがとうございます( ; ; ) (2019年7月13日 18時) (レス) id: c661d68094 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - ピースサインさん» コメントありがとうございます!!面白いって言って頂けて本当に嬉しいです( ; ; )更新頑張ります! (2019年7月13日 18時) (レス) id: c661d68094 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - 葵咲さん» コメントありがとうございます!( ; ; )うおお…う、嬉しい…!( ; ; )更新頑張ります!( ; ; ) (2019年7月13日 18時) (レス) id: c661d68094 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月25日 1時