第8話 ページ10
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『着いた…けど…』
…絶対何かある雰囲気だよなあ。
と、入る前から渋っていれば、早ク!と急かす鎹鴉。
…くそう…これで私が瞬殺されたら鴉のせいにしてやる!
『お、お邪魔しまーす……』
ギィィ…と古びた扉を開け、中へと入って行けば、バタン!と閉まる扉。
『(…鬼じゃなくて最早霊なのでは……)』
「人間…」
『!!』
刀を抜き戦闘態勢を取るも、姿は見えない。
…でもわかる。"何か"がいる…。
『(鬼でも人間でもない…いやこれまじでワンチャン幽霊なのでは…)』
霊に日輪刀って効くっけ?そもそも物理攻撃効く?と、訳の分からない思考をグルグル回していれば、感じる殺気。
『(これは鬼のだ…一体どうなってんの…!)』
ズバ!と振り返りざまに斬れば消えていく鬼。
『…とりあえず入ってくか…』
と、1歩踏み出し瞬きした直後、少し先に見えた女の子。
女の子は泣きそうな顔で手招きをしていた。
『…どうかしたの?』
「怖い…怖いよ……」
『そっちに鬼がいるの?』
「怖い……助けて……」
ダメだ会話にならん。そう割り切り、周りを警戒しつつ、女の子についていけばある部屋の前で止まった女の子。
『…ここ?』
「ぐす…助けて……助けて…!」
そう泣きじゃくる女の子の頭を優しく撫でてあげれば、ふっと消えた女の子。
『…入るか』
ゆっくり、慎重に扉を開け、そっと中を覗けば…
『(血…それに倒れてるのは多分鬼殺隊士…なんて数…)』
「何してるの?」
『えっ…?…!!』
一瞬で受け身を取るも、部屋の中に吹き飛ばされる身体。
…なに、今、何が起きて…。
『(鬼の気配だ…なんだ、これ…)』
妙に身体に纒わりつく匂い。ハッキリとしないが、何かがある。
「ふふっ、可愛らしいお嬢さん。貴女、珍しい匂いがするわ」
ふわり、と椿の匂いが強く香ると思えば、目の前にいる女の鬼。
「ああ、"稀血"ね。頂いちゃいましょう」
『――ッ!(コイツ、目に数字が…)』
反射で刀を振るも手応えはない。
急いで戦闘態勢を取れば、クスクスと笑いながら宙に浮かぶ鬼。
『(いや、違う…考えろ…鬼でも宙に浮くわけが……)』
「ええ、違うわ。貴方が浮いてるのよ」
『えっ?――がはっ!』
ドォン!と何かにぶつかれば、その拍子に上から物が落ちてくる。
…マズい…今ので……
『(肩の傷…開いた…!)』
「ふふっ、貴女を食べれば私も上弦になれるわ。ありがとう」
『!』
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ヘル - WW (2021年5月22日 0時) (レス) id: 8a8dc3fa13 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 第45話で絶対たまたまだけど名前出て一人で喜びの舞踊ってた→見られてた→\(^o^)/ (2020年7月20日 0時) (レス) id: 0b06ea8062 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - せりりんさん» コメントありがとうございます!嬉しいです(*^ ^*)更新頑張ります!! (2019年6月24日 18時) (レス) id: 17eabedad2 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 感動しました!炭治郎流石って感じです! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 凄いてんかいっすね! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月12日 0時