10話 ページ12
色んなside
佐「影踏んだ。俺の勝ち」
少「負けちゃった……」
少女の顔に影が落ちた。
少「貴方は何を望むの？夜伽？それとも不満解消にひたすら殴る？」
少女の言葉に佐疫は驚いた。
まさか、幼子からそんな言葉が出るなんて。
佐「俺が望むのは、君を救うこと、かな」
少「私を？」
佐疫の言葉に今度は少女が驚く。
佐疫は、しゃがんで少女と目を合わせた。
水色と赤色の目が交差する。
佐「君は、人間が嫌い？それとも人ならざるものが嫌い？」
少「私、は………嫌いじゃなくて、怖い」
少女の身体は震えた。
佐「僕も？」
少「うん。………僕？」
佐「ああ、うん。君は今、亡者だけど幼子だからね。怖がらせないためにも変えようかなって」
頬をかきながら、佐疫は言う。
少「緑の人は優しさ。青の人は悲しさ。目の色は見てなかったけど、明るい人は楽しさ。そして、私は………絶望」
正直言って、貧乏くじをひいたと思う。
なかなか説得が難しいもの。
佐「怖さじゃなくて、絶望？」
少「私は、負の塊、青の人はほんのその一部。」
少女は、佐疫の額に己の額を合わせた。
佐疫に流れていくのは、負の感情。
たった数秒間なのに行きのできない真空中にいるような感覚。
すぐに額を離してくれたお陰で心が壊れないですんだ。
荒い息を繰り返す。
佐「ﾊｧﾊｧ………き、みは、ﾊｱ、苦しくないの？」
少「…………どうやら、時間みたい。残念だけど私を救うことは叶わなかったみたいね。」
パキンッ
鏡の割れる音が響いた。
部屋がひび割れて、やがて足元がなくなった。
佐疫が最後に見たのは、静かに涙を流し目に光を無くした少女の姿だった。
…………
平「お？おお？佐疫だああ！！おかえりー！！」
貴「ﾋﾞｸｩ…………さ、サエキ？」
木「あ、そっか！あの時のがトラウマに………」
斬「あの時？」
木「実はね………」
辺りを見渡すと、どうやら、廃校に戻ってきたようだ。
そして、斬島の後ろに隠れている例の亡者。
佐「とりあえず、任務完了、かな？」
どうやって亡者を捕まえたのかは、報告のときに聞いたら良い。
木「Aちゃん！こっちにおいで！お兄さんところの背中も胸も空いてるよ！」
さぁ！と両手を広げて待ち構える木舌に飛び込んできたのは、発砲音と小さな弾丸だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
96(くろ)ちゃん - お疲れ様です頑張ってください! (2016年6月2日 19時) (
レス) id: 785cd0467a (このIDを非表示/違反報告)
美味トマト(プロフ) - 目玉入れ機ポロリエロ舌。略して、目玉ポロリエロ舌(略せてない。)面白いです！更新頑張ってください！！ (2016年5月18日 14時) (レス) id: 8ab1a19f8b (このIDを非表示/違反報告)
博麗の巫女さん - ポロリ(物理)ｗ凄いあだ名がｗ更新頑張ってください！ｗ (2016年5月14日 14時) (レス) id: 964f89e669 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - シアンさん» 木舌に絡まれたい人生でした（ﾊﾞﾀﾝｯ 斬島は常に無表情だからセコムになったら何か凄そうですよねwwwコメントありがとうございます！ (2016年5月9日 22時) (レス) id: 078f272f4f (このIDを非表示/違反報告)
シアン - 隠れセコム斬島ww木舌に絡まれるとか…くそう！羨ましい← (2016年5月8日 18時) (レス) id: 734e52caff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あおい | 作成日時：2016年4月23日 18時
