【歌い手】あほの坂田の妹は踊り手です3【うらたぬき】【あほの坂田】

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うらたside









ライブが終わってからのAの様子がおかしいことに気付いた。色々と1人で抱え込んでる顔だ









連絡しろって言ったのに…









Aが記憶喪失になった原因は俺にある。だから、Aが色々抱え込んで絶望してしまう前に助けたいと思って あんなこと言ったけど、やっぱ頼ってはくれないよな









多分…これは俺の憶測でしか無いけど、Aは自分の記憶が戻らないことに少し焦っているんだと思う









もしもこのまま記憶が戻らなかったら…前のAじゃない自分なんて悠に捨てられるんじゃないって思ってると思う









だからあんなに下手な作り笑いをして愛想よくしてたんだ









・・・・・・・・・・・・・
どうやって反応したら正解かを探しながら言葉を選んでる









そんな事しなくても良いのに。俺たち4人の誰もAを嫌ったりしない。逆にAが不安だったことに気づけなくて悔しいって思う









心の中で言ってても始まらないよな、って呟いてホテルの部屋から出て、下の階に行く。坂田の隣の部屋だったよな…









ノックするけど、返事は無い。無視か、寝てるか…









ためしにLI○Eを送ってみると、直ぐに既読が付いた









『起きてるだろ』









『…はい』









『お前、なんか悩んでるだろ』







『答えはNOですね』





『……じゃあ一言だけ。何悩んでるか知らないけど、ちゃんと誰かに相談しろ』






『1人で抱えんな』






『不安があるならちゃんと言え』








『自己完結は絶対やめろ』








『あと、笑いたい時にだけちゃんと笑え』









『キモい作り笑いとかやめろ』









１個って書いたけど、頼ってもらえなかった悔しさからか、気付いたら胸にとどめていたはずの言葉をどんどん打ち込んでいた









直ぐに全部に既読がつく。少し間があって、Aからの返信があった









貴『何のことかよくわかんないんですけど？しかも1個じゃ無いですよね？』









まだ、強がるつもりなのかよ……









『うるせ』









貴『………一応心に留めておきます』









最後に送られてきた文を見て、少しだけ安心した。この反応なら、本当にやばくなった時には頼るだろう…と









その文が、正解の文だとは気付かなかった

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