【wrwrd！】２度目の人生を我々と。 (ページ30)

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三十戦目ページ30

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『まず、皆さんに最初にお伝えした話は全て嘘です』
「「「「え？？？」」」」

私が真実を告げると、皆さんは揃いも揃って間抜けな声を上げて、予想以上の反応をしてくれた。
仲良しですか？？

まさか、あのオスマン様も出し抜けた様で驚きの表情でこちらを見つめるオスマン様に笑顔を向けておいた。

『私は、現在貴国と休戦中の国の軍人です』
「え、女は戦争には参加出来んって決まりあるやん」
『私は、小さい頃から武術が得意でした。その才能が上層部に知れ、無理矢理軍人されました。髪を切られ、男らしい口調を強要され、ファイという偽名を名乗るよう命じられ…』

そう言うと皆さん、顔を顰めたり青ざめたり様々な反応をして下さる。

「前からあの国は勝つためには手段は選ばないと噂はあったがまさか女を戦争に出向かせるとはな」
『はい、私が女だと知るのは上層部の人間だけです』
「軍に入る前は両親と暮らしてたんやろ？その両親は今は？」
「おい、それは聞くのは違うだろ」

ゾム様が私に質問をする。優しいひとらん様は止めてくださったが、大丈夫です。とひとらん様に一瞥し、ゾム様の質問に答えた。

『私が連れていかれる時、抵抗してくれました。連れていかないで…と。ですがそんなこと許される訳もなく、両親は私の目の前で…殺されました…っ。』
「……すまん」
『だい、じょうぶですっ』

今でも覚えているあの残酷な光景がフラッシュバックした。思わず手に力が入る。

「ファイくん、手ぇ出して」
「両方な」

両隣のロボロ様とひとらん様に手を出すよう言われ、その通りにすると手を繋がれた。
その謎の行動に2人を交互に見ていると、

「綺麗な手にキズできてまうやろ？」
「小さい手だな」

優しく笑ってくれる２人。

あぁ、なんて優しくて暖かい人達なんだろう。

繋いだ手から熱が伝わり心まで暖かくなった気がした。