【wrwrd！】２度目の人生を我々と。 (ページ23)

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二十三戦目ページ23

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沈黙を破ったのはゾムだった。

「疑うに越したことはないのは確かやねんけどさ。このペンダントな、こうなってんねん」
「へぇ、開くんや珍しいな」
「時計と…可愛らしい親子やなあ」

ペンダントの中身を見るためにみんなゾムの周りに集まる。ほんまや、かわいらしい親子や。

「なんや、この女の子ファイくんそっくりやん」
「あ、待ってそのペンダント壊れとん…」
「「あ…」」

奪い取られたペンダントのチェーンの部分はゾムの手に巻き付かれており、無理やり大先生が引っ張ったことによって時計側が割れてしまった様だ。

「なにしとん！！！」
「ご、ごめん…やってもた」
「お、俺は何も悪ないで、大先生が無理やり引っ張るから…」
「なに罪逃れようとしてんねん！お前も同罪やゾム！！一緒に罪償っていこ！？」

時計部分は秒針が取れてしまっていてもうどう足掻いても直せそうにない。

「もしこれがほんとに形見やったら大変やな」
「ほんまにな、壊してもーたで」
「ファイくんがコレ見てみ？泣くで…」
「泣くな…」
「想像できるめう～」

親の形見を壊されたらもうそれは泣くし喚くし激怒だろう。僕ならそうなる。

「割れた所からなんか見えないか？」

グルッペンが時計の割れ目をガサソゴと探ると小さな紙が折りたたまれて入っていた。
それを広げると文字が綴られていた。手紙だ。

ん。とグル氏に渡されたそれを受け取り、みんなに聞こえるように内容を読んだ。

〇△□

手紙の内容は持ち主の可能性であるファイ宛のものではなく、Aと呼ばれる少女に宛てたものであった。

最後の別れの手紙だと思われるような文にみんなの表情も段々と暗くなっていくようだ。

「親愛なる母より。やってさ」
「これってさ、ファイのゆーてた母親の形見やったとしたらファイって何者なん？男？女？」
「あ゛ーー、頭こんがらがってきた」

頭を抱え、騒ぎ立てる中ーー、
総統様は黙りっぱなしなのがお分かり頂けるだろうか

だんまりグルッペンこわいめう。