【wrwrd！】２度目の人生を我々と。 (ページ20)

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二十戦目ページ20

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シャオロン視点

グル氏にファイの護衛を任された俺は目的の場所に向かう彼を追うが、めっちゃ早いんやけど！！脚、怪我しとるんちゃうん！？

「ファイ～、ちょっと落ち着きってば！」
『私は急ぐので、シャオロン様はゆっくりでいいですよ』
「そーゆーことじゃなくてさ！脚！怪我しとるんやから！！」

俺の言葉はあんまり彼の耳には届いてない様だ。
脚も怪我しとるのに無茶する彼が心配で堪らない。

『これくらい大丈夫です』
「大丈夫ちゃうて！あ、傷口開いとらん？それ」

走る彼の左脚の包帯が少し赤黒くなっていた。
ちゃんと塞がってないのに動くからや。

「ファイ！止まり！応急処置するから！」
『後でで大丈夫……っ！』

会話をしながら足場の悪い所を走っていたからだろう、彼は足を踏み外し身体が横に傾いた。

脳より身体が反射的に先に動いた。
間に合え…！！！！

伸ばした手が彼の腕を見事に掴み、こちらに引き寄せたお陰で彼は身体を打ちつけずに済んだみたいだ。

「いって～～っ、ファイ！大丈夫か？」
『大丈夫です、すみません！シャオロン様は大丈夫ですか！？』
「気にすんな、俺が勝手に助けただけや」

心配そうに顔を覗き込む彼の顔が近くて、
綺麗に光る黄色の瞳に吸い込まれそうになった。

『シャオロン様？』
「え、あっ、すまんボーッとしとった！」
『顔が赤い様ですが大丈夫ですか？』

その言葉にさらに顔に熱が集まる。
見蕩れとったなんか言えるかいな、アホ。

「き、気のせいや！大丈夫やで！心配すんな！」
『そうですか、良かったです。じゃあ…』

そう言い立ち上がろうとする彼の腕を掴む。
不思議そうにこちらを振り返る彼に笑顔を向けた。

「捕まえたで、応急処置しよかファイ？」
『……承知しました』

逃げられない。そう悟ったのか少し口を尖らせて拗ねた表情で大人しくなった彼を見てかわいいなんて思ったのは誰にも言えんなぁ。