【wrwrd！】２度目の人生を我々と。 (ページ11)

今日:1 hit、昨日:16 hit、合計:328,002 hit

十一戦目ページ11

・
・
・

よく自分でもこんなにペラペラと嘘がつけるなと関心するくらいに言葉が流れるように零れていく。

『申し遅れて申し訳ございません、グルッペン･フューラー総統閣下。私、ファイと申します。』
「失礼だが、ずっと気になっていた事を聞いてもいいか？」
『なんでしょうか？僕に答えられる事ならお答えさせていただきます』
「君は男かな？女かな？」
「グルちゃん直球すぎるやろ」

男っぽい口調にしていた筈だがなにか勘づかれるような行動をしてしまったのか？
相手の出方が分からないまま、また嘘を吐いた。

『そんなに女っぽいですかね？身長が低いからでしょうか…一応これでも男なのですが…』
「いや、すまない。男にするには勿体ないくらい綺麗な顔立ちをしていたからな」

「気に触ったならすまなかった」と言葉を付け足す総統閣下殿。バレたと思うからやめて欲しい。

『あそこで何をしていたかと申しますと…話せば長くなるのですが…』

話のパズルは完成した。
後はその物語を語るだけだ。

〇△□

『という訳でして、あそこにいた理由は分かっていただけましたかね？』
「ふむ」

あの後は長々と自分の中で作った悲劇のヒーロー地味た話をつらつらと綴った。

小さい頃から親に捨てられ、どこの国にも所属せず弟と2人で色んな国で盗みをして生きながらいでいただの。我々国付近にある洞穴で弟と野宿をしてるだの。その帰りの途中に撃たれただの。

生憎、嘘は得意だ。
洞穴なんて適当に言ってる様だけどちゃんと現実に洞穴は存在している。

人の良さそうな幹部達は同情の言葉をしばしば漏らしながら話を聞いてくれた。

「はいはい、質問いいめう～？」

茶髪で可愛らしい感じの男性が手を挙げて言う。
語尾にはあえて突っ込まない。

「その服の中に隠しまくってる武器はどこで手に入れたか教えてもらってええ？」

妖しくこちらを見据えてそう問う男。
先ほどの可愛らしい雰囲気は微塵も感じられず、同情を誘う話で感化されていた他の幹部たちもその言葉で我に返ってしまった。

『警戒させてしまったならすみません。服も武器も外を偵察している軍人から奪い取った者なので僕のものではありません。武器なども護身用として頂いておいたのです。』

その男の目をしっかり見てそう返した。
しばらく目が合った状態だったが、不意に逸らされ「なら安心めう～」と、また緩い雰囲気に彼は戻った。

ーーーー
ファイトのファイ！(適当)