Ep.15 ページ32
｢うーん｣
｢ん？ どうかしたか碧｣
午後の自習時間、何やら難しそうな顔をして唸ってる碧にパンダ達が首を傾げた。
｢守護術使うときの技名考えてんのー｣
｢技名？ 何を今更...代々伝わってんだからそんなこと考える必要無ェだろ｣
｢それがさー、技名覚える前に守護術扱ってた血縁者みーんな死んじゃったから...聞けないんだよな｣
真希の質問に答えた碧の表情はいつも通りだが、回答の内容は随分と重たいものだった。
憂太とパンダと棘は、あちゃーと顔を歪めて真希を睨む。
｢おい真希〜、なんてことを碧に言わせてんだよっ(小声)｣
｢おかかっ...！(小声)｣
｢あぁ？！私のせいかよっ？！(小声)｣
｢みんな声でかいよ...！(小声)｣
小声の言い合いを始めた4人を他所に、碧は一人ぼーっと技名を考える。
｢悟みたいにかっこいい技名にしたいな.....｣
ボソッと呟かれたそれは、言い合いをしてる4人には勿論聞こえていない。
しかし.....
｢呼んだ？｣
突如背後に現れた気配と耳元で囁かれた声にビクッと体を震わせる。
｢っ、びっくりさせないでくださいよ...任務入ってたんじゃ...｣
｢可愛い生徒達の為に瞬殺で終わらせてきた。
で、突如背後からグッドルッキングガイドッキリ！！をやってみたYO☆ ｣
｢ダルいので今すぐやめましょう。
あっ！も〜....さっきせっかく良い感じの技名浮かんだのに忘れちゃったじゃん！｣
｢しょうが無いな〜、僕も一緒に考えてあげるよ｣
ふと棘が碧に視線をやると、いつの間にか帰っていた悟と楽しそうにあれこれ技名の案を出して話し合っていた。
たった2、3歩の距離なのに随分とかけ離れている気がする。
もはや違う世界にいるようだ。
急に黙り込んだ棘に気づいた憂太は、真希達とアイコンタクトをとってそれを伝える。
棘の重たい表情と、楽しそうに話している二人の様子からして、今棘がどんな思いなのかも何となく分かった。
4人は顔を見合わせて小さく頷く。
｢なぁなぁ〜、
そー言えば今月の末にここらの近所で夏祭りあるって聞いたぞ〜｣
わざとらしく大声で言い放たれた真希の言葉にパンダと憂太が続ける。
｢河川敷で花火もやるんだろ？ ｣
｢へぇ〜！ 花火か〜！ いいねそれ！｣
すると、
"夏祭り" "花火" のワードを耳にした碧がさっそく駆け寄ってきた。
｢え、楽しそう！｣
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IsANe(プロフ) - とあるモチさん» コメントありがとうございます！ ご期待に添えるよう頑張ります！！ (2020年5月12日 1時) (
レス) id: 8fefbb8a59 (このIDを非表示/違反報告)
とあるモチ - めっちゃおもしろいです棘カッコいい！！これからも更新がんばって下さい！！ (2020年5月12日 0時) (レス) id: b97e9ef115 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：IsANe | 作成日時：2020年5月7日 6時
