Ep.9 ページ18
「あっちぃーな...夏服まだかよ....」
暑さでぐったりしている真希に、憂太が大丈夫?と心配そうに声をかける。
「うわぁ、またイチャついてる」
「だな、このクソ暑いときにやめろよなー」
「しゃけ」
顔を顰めながらブーブー文句を言う碧に、パンダと棘も悪ノリして真希と憂太をからかう。
「ぶっ殺すぞてめェら!!」
「まぁまぁ....」
もうすぐ夏がくる。
相変わらずこの教室は賑やかで、変わったことと言えば、碧が一級に、棘が二級に昇格したこと、
そして特級の転入生、乙骨憂太が仲間に加わったことだ。
「おつかれサマーランドー!!!
みんな元気でやってるー??」
声を張り上げて教室に入ってきた男は、さっそく碧の肩に腕を回し、すかさず碧がその手をはらった。
相変わらずこの2人の距離は近い。
しかし棘にとっても良い事が増えた。
「あ、棘と碧に依頼来てるよ〜。
今回も2人でセットのやつだからすぐ終わると思う。
外で伊地知が待ってるからちゃっちゃと終わらせてきな〜」
棘が2級に上がったことで任務を任されるようになり、碧と共に行動することが増えたのだ。
「よし、張り切っていこーー」
えいえいおー。と暑さのせいで全て棒読みになっている碧の後を、棘もツナー、と言いながら追う。
そんな二人を見て、自然と真希とパンダの口も綻んだ。
「何笑ってんの二人とも」
悟が不思議そうに首を傾げ、憂太も、え?とキョトンとしている。
真希とパンダは別に〜とはぐらかした。
「でもまぁ...前から思ってたけど、狗巻君と巫さんって仲良いよね!
巫さんは一番狗巻君の言葉分かってるっぽいし....」
何も知らない憂太がニコニコしながらそう言うと、何故か嬉しそうに真希が、まぁーな。とパンダと顔を見合わせて笑う。
「え、なに。どーゆーこと? 」
「はいはいなんでもねーよ。
教師が生徒の恋路に首をつっこんでくんなー」
すかさず入ってくる悟を真希がしっしっと追い払った。
えー!なになに教えてー!としつこく聞いてくる悟を相手にしない生徒達だが、今彼の心がどれほど戸惑っているなんて知る由もない。
54人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
IsANe(プロフ) - とあるモチさん» コメントありがとうございます! ご期待に添えるよう頑張ります!! (2020年5月12日 1時) (レス) id: 8fefbb8a59 (このIDを非表示/違反報告)
とあるモチ - めっちゃおもしろいです棘カッコいい!!これからも更新がんばって下さい!! (2020年5月12日 0時) (レス) id: b97e9ef115 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:IsANe | 作成日時:2020年5月7日 6時