理事長の娘は…６

２９４話 ページ49

始業式、優は学秀と共に教室へ向かい担任が来るまでの間静かに座って読書をしていた



学秀(まだ大丈夫そうだな)



あまり怯えていない様子を見て安心したのか学秀は生徒会のメンバーと始業式のための準備を始めた




優(始業式終わったら、カラスさんとお散歩！始業式早く終わらないかな)



この日旧校舎までの道を歩けるまでの体力を作るべく、始業式の後に烏間と約束をしていたのだ

時間になると優は体育館へ向かい、學峯や校長達の話を何事もなく聞くことが出来た








「ねぇ、浅野妹じゃね？(ﾋｿ」


「ホントだ…つかちゃんと顔見た事無かったけど可愛いな(ﾋｿ」


「遺伝だろ(ﾋｿ」




周りは優が来ている事で密かに盛り上がっていた

優は壇上から沢山流れてくる情報を頭に残すために集中しており周りの声は聞こえなかった







そして、始業式が終わりHRが終わると生徒達は直ぐに教室から出て行った



学秀「優、今日は父さんの所に行くのか？」



学秀もまた、帰宅の用意を済ませると優に声をかけ帰ろうとしていた



優「あの、ね……カラス、さんと、おさん、ぽ…！」



学秀「散歩？」



優「…楽し、み(ﾌﾌﾌ」



学秀「…今日機嫌が良かったのはそれがあるからだったのか、じゃあ今日は父さんと帰るのか？」



優「うん…！」



学秀は優を理事長室まで送るとそのまま家に帰って行った

優は理事長室に入ると學峯と昼食を食べ、生徒達が居なくなったのを確認すると正門に立つ烏間と合流した







烏間「優さん、久しぶりだな」


優「…！」


烏間「夏休みにあった事、大体は如月から聞いたんだが……ヴェスパニアの件は大変だったな」



優のペースに合わせながら旧校舎へと歩き始める

優は夏休みの出来事を沢山話し、また、新しく友達も出来たことを話した、




烏間「そうか、かなり充実した夏休みだったみたいだな」


優「…カラス、さん……は？」


烏間「俺はE組の旅行や超生物の資料などをやっていたな。あまり普段と変わらなかった」




優「……タコ、さん、いるかな……」



旧校舎に殺せんせーがいるかどうかが気になるのか優は烏間に尋ねた


烏間「怖いか？」


烏間は殺せんせーと会わないコースを考えるべきかと思っていたが

優は予想とは違う返事をしてきた



優「…おはなし、したい」





優がそう呟いた瞬間






殺せんせー「私とお話したいって本当ですかぁぁ！！」




と、少し遠くで涙ぐんでいる殺せんせーがいた

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