幼女(狐)の過去 ページ5
side治
「「稲荷様?」」
聞き慣れない名前に2人して首を傾げる。そんな俺らの様子を知ってか知らずか目の前の少女は嬉しそうに俺に抱きついている。ちなみにツムの方も同じことになっとる。
「なぁ、2人のこと教えてくれん?」
どうせ目も覚めたし、時間もあるんや。ちょっとくらいええやろ。
『いいよ。私たちのことお話ししてあげる。』
『その代わり、お話しが終わったらお兄ちゃん達の名前を教えてほしいな。』
『あ!もちろん悪いことはしないよ。』
『『稲荷様に誓って。』』
よくわからんけど、この子らにとって”稲荷様”っちゅーのはよほど大きな存在らしい。
「ええで。お前らのこと教えてくれたら俺らの名前教えたるわ。」
『ふふ、約束だよ。』
『じゃあお話しするね。』
〜過去編〜
私たちはここの近くのお山で生まれたの。生まれたときから一緒だったの。
とと様とかか様は私たちを愛してくれたの。すっごく幸せだった。
でもね、他の仲間は違ったの。双子は不吉なんだって。
皆私たちに嫌なことしてくるの。ひどいこといっぱいされたの。
でも、負けたくなかった。だからたくさん頑張ったの。
とと様は私たちを誇りに思ってくれた。かか様は私たちをいっぱい褒めてくれた。
だからいっぱい頑張れたの。そしたら稲荷様のところで修行しないかって言ってもらえたの。
すごく嬉しかった。とと様とかか様と離れるのは寂しいけど2人一緒だから頑張ろうって思えたの。
でも、そこでもやっぱり他の子達は嫌なことしてくるの。痛いこといっぱいあったの。
稲荷様はお優しい方だよ。私たちのことも他の子と同じように大切にしてくれたの。
稲荷様が褒めてくれるから頑張ったよ。嫌なことされても負けなかった。
それがダメだったのかな
その日はいつもより酷かったの。石を投げられたりした。
いつもみたいに耐えてれば終わると思ってた。でも違った。
「こいつら川に流そう」
その言葉が聞こえた後、ゆっくりと私たちに近づいてきたの。怖かった。
そこで私たちは初めて逃げた。このままじゃ死んでしまうと思ったから。
必死に逃げてたら知らない道だった。そこは人の街だった。
なんとか小さな箱を見つけて二匹で入ったの。寒さをしのがないと死んでしまう。
二匹でくっつけば温かかった。でも、それだけじゃどうにもならなかった。
お腹が空いた。寒い。もうダメかなって思ったとき、
『『お兄ちゃん達が来てくれたの』』
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真柴白 - どうして、終わり何ですか?続き気になります!!更新待ってます!!頑張って下さい!! (2021年1月14日 3時) (レス) id: b8cb4c9ad0 (このIDを非表示/違反報告)
りぼん(プロフ) - とっても続きが気になります‥‥‥…!!!更新頑張って下さい!!!! (2020年6月22日 11時) (レス) id: 597f7a3cde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨星 | 作成日時:2020年6月13日 22時