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普段は感じない重みとカーテンで遮られていない隙間から差し込んでくる光で目を覚ます。
坂田が私のベッドが好きだっていうから、ベッドで寝かせたのに目を覚ますと、彼は隣にいて抱き枕のように私を抱きしめていた。
昔からの馴染みでもう照れるとかそんな感情はない。
彼の手をそーっと退かし、布団から出て歯磨きやらなんやらと用意を済ませて、鏡の前に立った。
『サイドポニテ…していこうかな』
昨日、センラ先生に言われた言葉。
可愛いって。そう言ってくれた先生にお礼の意味も込め、少し恥ずかしい気もするけど、髪の毛を横で束ねた。
さ「ふわぁ…、ん、Aおはよ」
『お、おはよ!』
別に焦ることなんて何にもないのに、彼に髪の毛を見られないように急ぎ足でリビングへと向かう。
『お、お母さん、行ってくる!』
母「あら、坂田くんは?」
『公園で待ってるって言っておいて!』
母「はいはい、行ってらっしゃい。」
『行ってきますっ!!』
勢いよく扉を開けて外に飛びだせば、ポスっと誰かの胸に飛び込んでしまい、
突然のこと過ぎて、バッと離れると、目線を逸しながら立つうらた先輩の姿がそこにあった
また、貶されるんだろうなぁ。なんて
もう髪の毛を隠す気すら失って、逆に貶す言葉を待った。
う「あっ…えと、おはよ」
『おはようございます。…というか、朝からどうしたんですか?』
う「いや、前通ったから…。その…、髪の毛、可愛いんじゃねぇの」
『…へ?』
予想していた言葉とは正反対の優しい言葉。
今日は大雪が降るんじゃないか。とポカンと先輩の顔を見つめていると、コツンとデコピンをされてしまって。
ありがとうございます。とニコッと微笑めば、ん。と少し素っ気なくコクリと頷いた。
さ「行ってき…うわぁ!!びっくりしたぁ。
まだここおったん?」
『あ、うん。ごめん。』
う「よっ、坂田」
さ「えぇ、うらさんおるとか聞いてへんのやけど…。せっかく二人でおれると思ったのに!」
ぷくぅと幼い子どものように頬をふくらませる坂田が可愛くて、両手を彼の頬に添えると驚いたように目を見開いた。
かぁぁぁとりんごのように赤くなっていく坂田の頬。
ぷはっ、と堪えきれなかった笑いを溢せば、笑わんといてやー、なんて。
その時、グイッと腕を引かれて、ふわっと甘い香りが漂った
う「…あんまいちゃいちゃすんな。」
先輩。
やっぱり今日は雪が降るんでしょうか
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タシア松(プロフ) - ぽにょさん» ありがとうございます!!最高の褒め言葉です、 (2022年9月25日 20時) (レス) id: d89a5c0024 (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょ - 1話1話見るごとにきゅんきゅんしてもう最高です_:(´ཀ`」 ∠): (2022年8月8日 18時) (レス) @page14 id: b0029b04cd (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 紫苑さん» コメントありがとうございます!すごい嬉しいです!!!ありがとうございます!!この作品を好きだと感じてもらえることができてよかったです! (2021年10月26日 6時) (レス) id: 63758ca099 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - な、な、な、なんだこの……神作者と神作品は!? (2021年10月26日 2時) (携帯から) (レス) id: d13b409c87 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 乘肄さん» 最高のお言葉ありがとうございます!! 完璧にかけたのなら幸いです、これからも日々成長していけるよう頑張りますので、よろしくお願いします (2020年5月19日 22時) (レス) id: 73485a3048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タシア松 | 作成日時:2020年1月12日 23時