いち ページ1
う「ごめん、俺お前のこと信じられない」
高校時代、突然そう言われ裏切り、姿を消した彼は、数年後職場に現れた
入ってきた瞬間、分かった。
あの頃と変わらない栗色のサラサラとした髪。
翠色の吸い込まれそうで綺麗な瞳。
他の男の人より少し小さい身長。
紛れもない幼馴染のうらたがいた。
う「浦田渉です。よろしくお願いします」
ペコリと礼儀正しくお辞儀をする彼を唖然と見つめていると、上司から名前を呼ばれ突然のことで声が裏返ってしまう。
「橘さんが色々教えてあげてね。」
『は、はい!!』
う「A…?」
各仕事に戻っていく人たちとは逆の方向に進み、うらたの元へ走りにくいハイヒールで小走りで向かった。
目の前に立つと、気まずそうに目をそらしてくるもんだから、何も知らないふりして、よろしく。とだけ声をかける。
自分の存在が忘れられたと思ったのか、目を見開いてから少し悲しそうに眉をハの字にする姿を見ると、ふと学生の頃を思い出した。
『ふふっ、ひさしぶりうらた。』
う「っ…!はぁぁぁ、よかったあ、忘れられてるかと思った」
『覚えてるに決まってるよ。よし、じゃあ仕事のこと教えるね』
そう言って彼をデスクまで案内しようとすると、おい。と腕を捕まれ行く足を無理やり止められる。
振り返ると、彼は思っていたよりも真剣な顔をしていて、私は耳を傾けた。
う「聞かねえの?」
『なにが?』
う「俺が…姿を消した理由」
『あぁ、うん。気になる』
う「………嫉妬」
『はい?』
う「だって、お前は俺の隣にずっといると思ってたのに他の男子と仲良くするから!」
うるうると瞳に涙をためて、彼の瞳に写っている私はグラグラと揺れている。
ギュッと手のひらを握りしめて、真っ赤な顔をしながら言う彼に、ドキッともしないしむしろ疑問しかわかない。
『…はい?ちょっとまって!
私達付き合ってなかったよね…?』
う「うん」
『なんで、うらたのもんみたいになってんの?』
う「だって、小さい頃から一緒にいたから…俺のだろ?」
『ん?意味がわからないかなあ。ははは…、はは…』
もう呆れで枯れた声しか出なくて、失笑していると、私より少し高い身長にまで伸びた彼は、自慢げにポンッと頭の上に手をおいて、乱暴に撫でた
う「彼氏とか…もちろんいないよな?」
『あ…はは…』
久しぶりにあった彼は嫉妬男子だったそうです
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タシア松(プロフ) - ちょこさん» ありがとうございますー!その後の話ですか、考えたことあまりなかったです。もしいい話が思いついたらその後の話を書こうと思います!わざわざコメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします (2022年1月7日 0時) (レス) id: b0276be98a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2021年12月20日 22時) (レス) @page21 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 乃々夏さん» 私も少し寂しい気持ちもあります、、。応援ありがとうございます!! (2020年9月30日 23時) (レス) id: 2434cd9a85 (このIDを非表示/違反報告)
乃々夏(プロフ) - タシア松さん» なんか…寂しいwwwwこれからも、応援してます!!!! (2020年9月30日 20時) (レス) id: e426f8e368 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - 乃々夏さん» 乃々夏さん!コメントなど本当にありがとうございます、、!楽しんでもらえたなら何よりです。ありがとうございます (2020年9月30日 7時) (レス) id: 2434cd9a85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タシア松 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=5ee9fa7f2a7bd06bef7dcb77652f9a37...
作成日時:2020年4月11日 21時