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セ「おはよ、A」

『おはよ!セン…ラ、くん!?ちょ、え!?』




挨拶を交わしてくる声はいつも通り。
でも、髪色、ピアス、制服の着こなし方。全てに違和感を覚えた。


急いで、彼の手を引いて人気のない廊下に連れ出す。


真面目キャラとでもいうかのような完璧な身だしなみに、今まで注意してきていた先生もクラスの人も私も、そして、いっつも一緒にいるわたるたちでさえも驚きを隠せていない。




『その髪…どうしたの?』

セ「あぁ、これ?待っててって言ったやろ?」




告白の返事は確かに「待っていて」と言われていた。
あの日から数日間休んで登校してきたと思えば見違えるような彼の姿。もう何がなんだか分からなかった。




『言われたけど…、なんで』

セ「いやあ、こういうのの方がタイプかなって…」


『…いや、えっと、好きだけど…私は…そのままのセンラくんが好きだったわけだし…』


セ「えぇ!そうなん?」






少し眉を下げて、俯き気味になるセンラくんの姿を見ると、ドシリと乗っかってくる罪悪感。
ぎゅっと握りつぶされるように痛い心臓を抑えるように、自身の胸ぐらを掴んだ。


なにかセンラくんの喜ぶことを言いたくて、でもッ!と声を発したとき、彼は顔を上げて、明日にはもとのセンラに戻すから!と周りを包みこむような大人っぽい優しい笑顔で返される。




『戻さないで。私…、今のセンラくんも好き…だから』

セ「え、でも」

『センラくんだったらなんでもいい。
優しくて包容力があって、人を笑顔にできるそんなセンラくんが私は好き』

セ「……なあ」



__抱きしめてもいい?





コクっと頷くと、ぎゅっと力強く抱きしめられる。
香水の溶けてしまうような甘い匂い。
大きくて温かい安心する胸。
耳元から聞こえるセンラくんの吐息。

全部がたまらなく好きで、見た目なんかどうでもいい。そう思えた。





セ「A」

『ん?』



バッと肩を掴んで、センラくんから離される。
彼の瞳は真っ直ぐで、真剣で。蜂蜜色のその瞳から視線は、まるで囚われているかのように、そらすことなどできなかった。





セ「俺と付き合ってください」

『………付き合うに決まってるよっ!!!』





ぎゅっと私の方から抱きつけば、センラくんもそれに答えるように抱きしめ返してくれる。


私の彼氏は





_優しい不良少年です。

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タシア松(プロフ) - 紫苑さん» こちらにもコメントしていただいてホントに感謝しかないです、、。ゆっくり更新ですが、これからもよろしくお願いします (2021年10月26日 6時) (レス) id: 63758ca099 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - ドソキでツボっちゃいましたWとても面白かったです!これからも面白い作品待ってます! (2021年10月26日 1時) (携帯から) (レス) id: d13b409c87 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - ちょこまみれさん» ありがとうございます! (2021年1月24日 13時) (レス) id: 2434cd9a85 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこまみれ(プロフ) - 素敵です (2021年1月24日 13時) (レス) id: 53f0e78d36 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - さとうさんさん» ハラハラできるようにかけていたなら良かったです…。少し自信がなかったので、。嬉しい褒め言葉本当にありがとうございます!これからも日々成長していけるよう頑張りますので、よろしくお願いします!! (2020年3月29日 12時) (レス) id: 73485a3048 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タシア松 | 作成日時:2019年12月21日 19時

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