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しばらくの間、沈黙が続いた。
チクタクと静かな部屋に時計の音が響く。
セ「重い話してもいい?」
『あっ、はい。』
俯向きながら、そう呟いた彼に、どうぞ。というと、ゆっくりと話し始めた。
セ「センラな、坂田に勝てたことないねん。
俺が好きになった人は、みんな坂田のとこいっちゃって。そりゃ、センラのこと好きになってくれる人もおるけど、俺は好きじゃない人ばっかり。
…坂田の方がカッコイイし。明るいし、おもろいし、人気やし、喧嘩なんてめっちゃ強い。
なにより、1番女ごころ大事にすんねん。
そんなんに勝てるわけない。」
そう弱々しい今にも泣きそうな声で言うセンラさん。
同情はしない。可哀想なんて思わない。
『センラさん。キツい言葉かけてもいいですか』
コクっと小さくうなずくセンラさんをしっかりと確認して、私はセンラさんの言葉に反論するように口を開いた。
『それって、努力してないですよね。
最初から勝てないって決めつけて、坂田さんのこと好きになったらもう諦めるんですか?
言っておきますが、坂田さんのこと好きになって、諦めがつくの、本当の恋じゃないです。
それに、センラさんのこと好きになってくれる人がいるんでしょ?まずは、その人たちのこと大事にしなくちゃ。
好きでいてくれてるんだから。ね?
私からみたら、センラさんは、優しいしカッコイイし、勉強もできるし、走りも早いし。
あとは、私のこと1番理解してくれてる気がします。
だから、自信持ってください。
人には、得意不得意があります。
その得意不得意も個性なんです。
俺には、これがないから。じゃなくて、俺にはこれがあるんです。
センラさんには、人一倍の優しさがあるじゃないですか。
ココア、ありがとうございます。
私は帰りますね。
…センラさんの気持ちがしれてなんだか、嬉しかったです。…って期待させるようなこと言っちゃ駄目ですよね。
それじゃあ、また学校で。」
バタンと扉を閉めると、一気に体の力が抜けて長いため息が口から出た。
別にあれが面倒くさくてため息が出たんじゃない。
ただ、ずっと緊張状態で、なんだかドッと疲れが押し寄せてきた感覚だった。
…結局、私は何がしたいの。
坂田さんのことが好きなはずなのに、センラさんのことが頭から離れない
とにかく今は、家に帰って寝よう。そう思って、帰路についた
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タシア松(プロフ) - 紫苑さん» こちらにもコメントしていただいてホントに感謝しかないです、、。ゆっくり更新ですが、これからもよろしくお願いします (2021年10月26日 6時) (レス) id: 63758ca099 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - ドソキでツボっちゃいましたWとても面白かったです!これからも面白い作品待ってます! (2021年10月26日 1時) (携帯から) (レス) id: d13b409c87 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - ちょこまみれさん» ありがとうございます! (2021年1月24日 13時) (レス) id: 2434cd9a85 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこまみれ(プロフ) - 素敵です (2021年1月24日 13時) (レス) id: 53f0e78d36 (このIDを非表示/違反報告)
タシア松(プロフ) - さとうさんさん» ハラハラできるようにかけていたなら良かったです…。少し自信がなかったので、。嬉しい褒め言葉本当にありがとうございます!これからも日々成長していけるよう頑張りますので、よろしくお願いします!! (2020年3月29日 12時) (レス) id: 73485a3048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タシア松 | 作成日時:2019年12月21日 19時