● ページ26
● H.side*
……結果。
リアル脱出ゲームはものの数分で終わってしまった。
よくよく考えれば、コイツは現役の探偵。
解けない問題なんかないだろう。
「……物足りない」
「いや、問題を見て数秒で解くお前は、最早神レベだったから」
コイツ人外なんじゃないかと真剣に思った。
2ー1前の廊下で邪魔にならないように談笑していると。
「……た、ちばな?」
「……マリン?」
彼女が階段の方を向いて……安心したように、微笑んだんだ。
……見たこともない、笑顔で。
「……マリン、あの、何も言わずにごめ、」
「……っ、立花ぁぁ〜!!」
そのマリン、とかいう彼女の友達は、感極まったようにアイツに抱きついた。
「留学したって聞いた時はほんとに驚いたんだからな?! 悠飛も心配してたぞ!!」
……え、留学?
思わず彼女を見つめると、シーッと言うように口に人差し指を当てた。
……嗚呼、そーゆー設定な訳ね。
「ごめんね、マリン。ほんとに、ごめんなさい」
「いいんだよ! それで、今ここにいるってことは、ここに戻って来るのか?!」
どこか期待したような目を向ける、彼女の友達。
それに対して、アイツは……ふるふる、と首を横に振った。
「ううん。実は、9月にはもう帰って来てたんだけど、その後音葉学院に編入したんだ」
「えっ、音葉学院って、超・名門校じゃん! 凄いな、立花は!!」
すると、アイツは照れたように笑い。
「ありがと。マリンの元気そうな顔見て安心した」
……心底ホッとしたように、心からそう思っているような言葉を呟いた。
「マリン、今からシフト?」
「あぁ、うん。悪いな、折角来てくれたのに」
眉を下げ、申し訳なさそうにする彼女の友達。
「全然! マリンの顔見れて元気出たし!!」
「……な、なんか照れるな。あ、それ私がプレゼントしたヤツか?」
彼女の友達が、耳と首に付けていたアクセサリーを指さした。
「やっぱり気付いた?」
「気付くだろ。自分が贈った物なんだから」
2人は顔を見合わせて、ぷっと噴き出した。
「佐田さ〜ん! 早く来て!」
「おうっ! ……明日も文化祭あるから、次は時間合わせような!」
「うん。またね」
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未麗 - 不良君とアーヤの組み合わせが最高でした!!これからもがんばってください!応援してます!! (2022年9月3日 8時) (レス) @page46 id: c3880015a9 (このIDを非表示/違反報告)
阿修羅 - アーヤがクールな感じでいい (2022年1月10日 10時) (レス) @page7 id: 4820c0c437 (このIDを非表示/違反報告)
柚須 - Clock lock Works という歌みたいですね! (2021年5月7日 15時) (レス) id: 8119590feb (このIDを非表示/違反報告)
天奏 - アオさん» ありがとうございます!^_^ (2020年7月25日 14時) (レス) id: e765e8c7f7 (このIDを非表示/違反報告)
アオ(プロフ) - 最高でした! (2020年7月21日 1時) (レス) id: 0202dd951f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天奏 | 作成日時:2020年4月13日 19時