真相・4 ページ34
「落書きをしたのは3人か?」
ショージは、3人をあと1歩の所まで追い詰めた。3人は逃げ道を探しているような様子。私ー青葉真帆ーは、その様子をショージの後ろで見守っていた。
「…」
「…」
「…私たちです」
沈黙を破ったのは、綾佳。やっぱりそうだったんだ。
「じゃあこのスプレーは?どこで手に入れた?」
「ホームセンターです」と樹里。
「お金は?」
「3人で出し合いました」
「これらは破棄するか何かしてほしいんだが」
「…はい、何とかします」
ショージの質問責めにもきちんと対応しているあたり、3人は見た目に反して真面目なのかも。
「所で、『秘密の花園クラブ』ってのは?」
「私たちのグループ名です。女子会グループの」
「へー。まあいいや。何で海洋学部の立ち退きを要求したんだ?」
「…」
「…」
ここで初めて会話が止まる。ショージは表情1つ変えず、3人を順に見ている。
「…海洋学部は全員1年生だったから」新菜が言った。
「…と言うと?」
「…もしかしたら、ちょっと脅したら部室譲ってもらえるかもって思って、…ごめんなさい」
「けど、それだけじゃないんです」
樹里が続ける。
「ここの部屋、西の一番端だからです。日当たりいいし、女子会するにはぴったりだったから」
「けど、脅して取るなんてダメだろう?」
ショージは、怒るというよりは諭すといったような口調で3人に問いかける。
「はい」
「すみませんでした」
「いや、俺じゃなくてさ、瀬戸くんと関くんに」
2人を手招きして、3人と向かい合うようにした。
「脅したり部室を取ろうとしたりして、すみませんでした」
「ごめんなさい」
「すみませんでした」
瀬戸くんと関くんは顔を見合わせた。そして1度頷いてから、瀬戸くんが代表して口を開く。
「僕たちは構いません。しかし、魚に影響が出ることがあるので、この部室にスプレーは持ち込まないでください」
「わかりました、ごめんなさい」
瀬戸くんと関くんは納得したみたい。ショージと私も親指を立てるジェスチャーをして、お互いを称え合った。
「じゃー事件解決ってことでいいですか?」
「はい!」
瀬戸くんも関くんも、元気に返事をした。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2020年9月4日 20時