ミッション1 ページ13
「さて、ショージからなんだけど…」
僕ー伊達凉馬ーは、図書室でパソコンを広げ、ショージから来たメールの内容を青葉に伝えようとしている…んだけど。
「とりあえず文化部を回って部室の取り壊しを阻止したいか聞いてこい」
面倒くさっ…「とりあえず」って何…
「どしたの凉馬?何?」
「いや、いきなり面倒くさいミッションが来た。部室の取り壊しを阻止したいか聞いてこいって」
「えー、面倒くさっ。いったい文化部いくつあると思ってんの!」
そう、ここ渚学園は文化部が乱立しすぎて何が何だかよく分からなくなっているのだ。校舎は4階建て、部屋の数は20もある。しかも1つの部屋に色々な部活が集まっていたり、特徴的な螺旋階段を活動場所としたりしているのでさらに面倒。
「…回るしかないんじゃない?」
「そうみたいだな…」
まずは美術部。
「部室の取り壊しについてどう思いますか?」
「私たちの先輩方が築き上げてきた部室を壊すのはちょっと…」
続いて数学部。
「見ての通り、モノが多いから立ち退きは御免だ」
さらに漫画研究会。
「取り壊したらこの漫画はどこに置けって言うんだ!」
お次は料理部。
「私たち、この部室にはとっても思い入れがあるんです。取り壊しなんてイヤです」
この他にも生物学研究会、天文部、地歴部、ボランティア部などを回った。やはりどこも取り壊しには反対らしい。
「あー、やっと終わった…ショージに報告しよう」
僕はパソコンを出し、(学校は携帯の持ち込みはダメだから)結果を報告した。すると返ってきたのは一枚の写真だった。
「取り壊し反対の署名」
というメッセージが付いている。写真には紙の束が写っていた。
「やっぱり向こうも同じだったらしいね」
「ああ、じゃあ今日はここらで終了にしよう」
その時メッセージが来た。
「ごめん、新しい校舎を建てるとしたらってのも聞いてきて」
あいつめ!要件は1度で済ませてくれ!
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2020年9月4日 20時