僕らの世界2 (ページ47)

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始祖・2 ページ47

「ちょっと気になったんだけど、その先輩たちは、何で他の部活の助っ人専門になろうと思ったんだろ？」
俺は、思ったことを素直に言った。ショージが、確かに、とつぶやいた。
「分かんねー…誰か知らない？」
「知らなーい」
なんと、5人とも一瞬でお手上げだった。
「うーん…多分だけど、2人でいられる場所を確保しようとした、とか？」
小島妹が言った。
「ああ、それはあるかも」
「もしくは、もともとスポーツが得意で助っ人としてよく色んな部活を回ってたら、自然にそうなってた、みたいな」
「かもしれないな」
「そういえば…どこかでそんな話聞いたような…聞いてないような…どっちだっけ…」
山本は、何とも煮え切らない言い方で何かを思い出そうとしている。
「でも、1つ確かなことがあるとすれば、助っ人専門が集まる『流浪人会』のシステムを作って渚学園に伝えたのは先輩たちで、『流浪人』という名前をあげたのは渚学園の人たちってことだな」
浪越が説明すると、ショージがすかさずメモを取る。こういう所を見ると、本当に真面目だよな、と思う。
「思い当たることがないなら別にいいよ、知って何になるってわけでもないし」
俺は適当にまとめて、話題を中断させた。その行動に特に深い意味はないけど、何となくここで立ち止まってていいのかな、と思ったから。
「じゃあ、第2の謎。何で渚学園の流浪人会と交流があるんだ？」
「三浦先輩の友達が渚学園にいたからかな。『帰宅部にはなりたくないけど、部活もやりたくない』とか無茶苦茶なこと言われて、助っ人専門のシステムを提案して、流浪人会という名前をもらった。これはさっきも話したな」
「今も交流はあるのか？」
「ある。先輩たちが、同い年の人が4人いるから仲良くしなさいって言ってたから」
「そうか、わかった。じゃあここらで解散しようか」
ショージは話を切り上げた。知ったところで俺は何も得しないから変なタイミングで終了しても気にはならなかった。

ありがとう、と言って5人を送り出し、俺たちも部室の戸締まりをして校舎を出た。
俺が1番星を見つけて眺めていると、ショージは
「俺、これからサッカーだから。じゃ」
と早口で言って、俺に別れの言葉を言わせる時間も惜しむかのように走っていった。
最近忙しそうだけど、何かあったのかな。