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始祖・1 ページ46

「木曜日、もう一回部室に来てくれない?ちょっと流浪人会について聞きたいことがあるんだけど」
冬休みまでちょうど1週間の月曜日、俺ー進藤海斗ーは、昼休みに廊下でダベる流浪人会の5人に声をかけた。ちなみにショージは、「一回あんなことすると、やっぱ気まずいじゃん」と言って、声をかける役を俺に押しつけ、自分はさっさと生徒会選挙に向けて準備を始めている。
「おう、俺はOKだ」
「私たちも」
「僕もいいよ」
「俺は…木曜なら大丈夫」
みんな一斉に返事をする。
「あ、いい?じゃあ木曜日の放課後、部室まで」
りょーかーい、と浪越は気の抜けた返事をする。小島姉妹は、色違いの手帳にそれぞれ予定を書き込んでいる。
俺は、よろしくね、と念を押してからその場を去った。


それから3日。
木曜日の放課後、流浪人会の5人とショージ、そして俺は、部室に集まった。7人入って、さらに5人分の荷物を置いても広々している。俺は、やっぱりここ、一等地だよなー…などと思っていた。
「議長、今日の議題は?」
船木がショージに向かって尋ねた。
「流浪人会の歴史と、渚学園の流浪人会との交流について詳しく聞きたい」
「おぉ〜…」
バラエティ番組的な歓声に、俺は噴き出した。
「まず、歴史について。単刀直入に言うと、何で流浪人会が生まれたのかを知りたい」
「そんなこと知って何するの?」
「それは渚学園の伊達と青葉って奴に訊いて」
ショージ、今説明が面倒くさくて人任せにしたな…
「確か流浪人は歴史あるけど、流浪人会はつい最近だよな」
「そうそう。私らの2つ上の、三浦先輩と福島先輩が基礎を作って、それを私たちが『流浪人会』にした、って感じかな」
「じゃあ、始祖となる組織を作ったのは1、2年前ってとこか?」
「先輩たちが2年生の頃だから、2年前だね」
「ところで、三浦先輩と福島先輩って人はどういう関係なんだ?」
「確か、付き合ってる」
「え?!」
俺は勝手に2人とも男かな、とか思っていたが、まさかの恋愛沙汰ですか。横目でショージを見ると、「いいなあ…俺も彼女欲しい…」と顔に書いてあるようだった。お好きにどうぞ。

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設定タグ:青春 , 学園 , 友情   
作品ジャンル:純文学
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2020年12月18日 22時

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