僕らの世界2 (ページ45)

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流浪人会の秘密・3 ページ45

「星が丘の流浪人会とは仲良いの？」
話はだいぶ進み、流浪人会の歴史は何となく分かった。次の話題は、前から気になっていた、星が丘との交流。私たちが本当に知りたかったのは、これ。
「ああ、星が丘とは先輩の時から仲良いんだよ」
津田くんは楽しそうに話し始める。
「確か、星が丘の俺らの2つ上の三浦先輩って人と、神河先輩が仲良かったから、その影響かな」
「ああ、なるほどね」
「でも、私たちは三浦先輩に会ったことないんだよね」
薫ちゃんが口を挟む。
「三浦先輩と神河先輩は小学校の時の同級生で、中学入っても仲良かったんだって。あと、神河先輩は流浪人会の紅一点だったから、女子の友達がいたほうがよかったのかも」
「確かにそうかも」
私もBLUE LEMONの紅一点なので、共感できる。そして薫ちゃんも流浪人会の紅一点だから、やっぱり共感できるらしい。
「けど、私たちが入った時は3人とも生徒会で忙しくて星が丘にもあんまり行けなくて、三浦先輩に会えないまま先輩たちは引退」
「でも、先輩たちに『星が丘の流浪人会には俺らと同じ代の奴が5人いる』って星が丘を紹介されてたから、から、三浦先輩がいなくても交流は続いた、ということだ」
大塩くんが補足説明する。さっきから静かだったから隣をチラッと見ると、凉馬は話の内容をメモしていた。縦長の長方形みたいな変わった字体だな、と改めて思った。何度も見ているけど、何度見ても変わった字。

「私たちからの質問は以上かな。今日はありがとう」
私が最後にお礼を言うと、凉馬が
「あ、ちょっと待って、もう1つ」
と、ストップをかけた。
「僕らは生徒会選挙に立候補するけど、何か要望はある？」
私は、やられた、と思った。凉馬は、色々な人の意見を取り入れて勝ちにいく作戦らしい。なかなか周到。
「うーん…少数派に優しい、とか」
津田くんが言った。薫ちゃんも付け加える。
「私は、男女分け隔てなく平等に、がいいな。真帆ちゃんも立候補するなら実現してほしい」
私はてっきり凉馬に言ってるものだと思ってたから、
「え、私？」
と、返事が何だかすっとんきょうになってしまった。
「僕ら、選挙ではライバルだね」
凉馬は、ちょっと笑って言った。