僕らの世界2 (ページ44)

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流浪人会の秘密・2 ページ44

「でもね…先輩たちは、そんな事では引き下がらなかったんだ」
松平くんは、背後に「ゴゴゴゴ…」という効果音が見えそうなほど迫力のある声で言った。
「先輩たちは、生徒会選挙に立候補して、先生に復讐をした」
「ふ、復讐？！」
「クラブを潰された復讐として、校則をゆるゆるにしようとしたらしい」
「そうなの？」
部活のことじゃなくて、あえて校則を緩めて復讐をしようという発想が、謎すぎる。
「本当の目的は、校則を緩めることじゃなくて、校則を緩めたことによってクラブ復活の条件が揃うかもしれないと考えたからなんだって。部活の活動の条件に『活動場所は部活で用意する』とか『活動期間や活動時間を設定すること』みたいなのがあったらしいんだけど、クラブは活動場所も活動時間も『なし』の名目だけの部活だったから潰されたから、その校則をなくしちゃおうってことだ」
「それ、成功したの？」
私が訊くと、松平くんは笑って言った。
「いや、失敗した。先生に魂胆がバレて却下。だから僕らは今でも名目上は帰宅部だ。流浪人会は学校公認の部じゃないからね」
「なかなか大変だね…」
私が言うと、薫ちゃんが細い首をブンブンと縦に振った。
流浪人会はみんな変わった事情や境遇があって大変だったのに、流浪人会に入っても色々苦労しているらしい。それでも頑張ってるってすごいな、と思いながら話を聞いた。

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