僕らの世界2 (ページ40)

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黒船来航？！・1 ページ40

「おい、話と違うじゃないか！」
俺ー東海林隼ーは、激怒した！危うく流浪人会と不平等条約を結ばされるところだった！

10分前、流浪人会との談合がスタートした。BLUE LEMON本部である部室の机を並べて、俺と海斗が黒板側、流浪人会の5人はロッカー側に座った。
「流浪人会代表の、船木大地です。よろしくお願いします」
船木は、俺の正面で愛想笑いを浮かべて言った。他の4人、そして俺も自己紹介を終え、本題に移った。

「…要するに、タッグを組みませんか、という話で」
「タッグ…ですか？」
「ええ。海斗くんをスカウトしたのもそれが目的です。海斗くんを、言い方は悪いですけどシェアして、ゆくゆくはこの部室もシェアできたらなーと…」
俺は、「え？！」と思った。海斗の件は目を瞑るとして、それは聞いてない。この部室は教室と同じくらい広いけど、今のところシェアするつもりはない。
「…あの、それって、こっちにメリットはあるんですか？」
「もちろん。この間の文化祭で、東海林くんは『生徒会に立候補する』と言ってましたね？」
俺は頷く。
「もし本当に立候補したら、僕らは全員東海林くんに投票します。それに、周りにもPRします」
なるほど。
あれ、でも…

選挙が終わってからはどうなるんだ？

「…他には何かありますか？」
「いや、今のところはこれだけで…」
やっぱり、そうかもしれない。
海斗をスカウトしたついでに、この部室もゲットしようという魂胆だろう。
「…じゃあ、タッグを組んで何をするのが目的なんですか？」
もうこの際、ズバッと訊いちゃおう。本当の目的は何なのか。
「…」
5人は、分かりやすく戸惑っている。どうやら俺の勘は的中したらしい。
「…部室が欲しい、というところでしょうか」
やっぱりだ！海斗は今まで気付いていなかったのか、ビックリしてる。
「おい、話と違うじゃないか！」
俺は声を荒らげた。
「海斗に部室に、根こそぎ取るつもりだったのか？！」
俺は、言った後、肩で息をした。

こいつら、黒船か？！
こいつら、なんなんだ？！