僕らの世界2 (ページ37)

今日:33 hit、昨日:0 hit、合計:1,195 hit

私の妹ページ37

私ー小島佳奈子ーは、カチンときた。
友達に、私と私の妹の人生を、あたかも「2人とも同じである」ように言われたから。
私の妹は、小島菜奈子という。双子でもないのに同じ学年。私が4月生まれで、菜奈子は3月生まれ。ギリギリ2人とも1年生。そして、双子と間違われる最大の原因は、顔がとにかく似ているということ。私は親や友達から「菜奈子」と呼ばれ、菜奈子もよく「佳奈子」と間違えて呼ばれている。

だからって。
だからって、
私と菜奈子は、別の人間。
違う特徴だって、いっぱいある。

私たち姉妹は流浪人会に入っているけど、私は陸上や水泳、菜奈子は球技が得意。私は犬派、菜奈子は猫派。私は何ともないけど、菜奈子は花粉症と埃アレルギーがある。
こんな風に違いがあるんだから、全く同じと言われるとカチンとくる。
そしてこういう時、菜奈子は何も言わないけど、私はそれを口に出す。
「私と菜奈子は姉妹だけど、全く同じじゃないから」
つい、口調がきつくなってしまった。私はこうやってよく、友達と喧嘩をしてしまう。
「私たちは全く同じじゃないけど、佳奈子もそこまできつく言う必要ないと思うよ」
そして、喧嘩した友達と私の仲を元に戻してくれるのが、菜奈子。こんな場面が、今まで何度もあった。
全く同じじゃないけど、やっぱり2人でいると楽しいし、心強い。なんだかんだで、菜奈子のことは大好きだと思ってる。
「ありがと、菜奈子」
「よきにはからえ」
2人で笑えば、笑顔も2倍。菜奈子がいて本当によかったと思う。