僕らの世界2 (ページ33)

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ヒーローになりたいページ33

ヒーローになりたい。
みんなのヒーローになりたい。
ヒーローになってみんなを助けたい。

七夕の短冊や、幼稚園の卒園アルバムに書いた、俺ー船木大地ーの夢。みんなのヒーローになること。
幼稚園の頃に見た、戦隊ヒーローものの番組に出てきた、「レッド」がきっかけだった。かっこいいアクションや、燃えるように熱い、そしてとても優しい心に憧れて、俺もヒーローになりたい、と思った。
小さい頃の夢だけど、今もちょっと、なれたらいいなとは思っている。

見えない敵と戦ったり、意味もなく走ったりして、日頃から鍛練を積んでいた。
それが功を奏してか、俺は体育の成績はいつだって5だ。小学校1年生の時の初めての成績表で体育が5だった時は、ヒーローに一歩近付けた気がした。

中学に入ると、さすがに周りに「ヒーローになりたい」と言うことはなかったけど、どうしたらヒーローになれるか、密かに考えていた。

みんなのヒーローにならないか？

廊下で見つけた、一枚の勧誘ポスター。しかしそれは、ヒーロー研究会といった類いのものではなかった。
流浪人の集い。
現在の流浪人会の前身となる組織のポスターだった。
みんなのヒーロー。
小さい頃から憧れ、目指し続けたその存在に、なれるかもしれない。
俺は迷わず入部を決意した。Z019年4月、晴れた日の放課後のことだった。

それから、2年8ヶ月。
俺は、ヒーローになれたかな。まだ分からない。でも、色々な部活の助っ人として活躍することはできたと思う。
あのときの「レッド」を目指して、明日は野球だ！