僕らの世界2 (ページ4)

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親友ページ4

「真帆ー、来たよー」
文芸同好会のコーナーに、彩花が入ってきた。
無邪気な笑顔の彩花が、本を見ながら私ー青葉真帆ーの所へ来る。
「真帆、暇だったら一緒に回らない？」
「あと10分で交代だから、もうちょい待って」
「了解」
彩花は、そのへんの本を手に取って読み始めた。けどそれは、全部絵本。
「活字苦手なんだ？」
「えっとねー…まあ、得意…ではないかも」
「わかった、苦手なんだね」
「そんなにハッキリ言わなくてもいいじゃん！」
彩花は、口調は怒っていても顔が笑っている。
「今度、活字嫌いの彩花に絵本選んであげるよ」
「余計なお世話」

「お疲れ。交代な」
10分後、凉馬が教室に入ってきて、当番をバトンタッチ。
私は早速彩花と映画同好会のコーナーへ行くことにした。

「真帆さ、映画とかで芝居やったら結構サマになると思うんだよね」
突然彩花が言ってきた。
「え？彩花も顔いいからいけると思うけどな」
「やっぱり？真帆も私の美しさに気付いた？」
「スタイルいいからモデルもいいかも」
「でしょ？」
「でも口は悪いからなー」
「ちょっと！上げといて落とさないでよ！」
「まあ、トータルで言うと『そこそこモテんじゃない？』って感じ」
「そこそこって、褒めてんだかけなしてんだか分かんないんだけど」
「想像にお任せしまーす」
廊下を歩きながら話していると、後方からの視線に気がついた。3年生？高校生？2人の男子生徒が後をつけてきている。
「ねえ真帆、誰かついてきてる？」
「やっぱそうかな？さっきから変な動きしてるし」
2人でひそひそ話していたら、
「あの」
と声をかけられた。振り返るとそこには、男子生徒が2人。
「暇だったら、4人で一緒に行かない？」
怪しい。怪しすぎる。これ、ナンパってやつ？学校で？衆人環視なのに？
「あの、私たち2人で回りたいので」
「別に、俺らも邪魔する気はないから」
いや、そういう問題じゃない！
「真帆、ちょっといい？」
彩花は小声で言った後、私の肩に手を置いた。
「私たち、付き合ってるんで。今、デートだから2人きりでいたいの」
え！えぇ～？！何それ、私たち付き合ってる？！アイデアぶっ飛びすぎでしょ！
「えっ…」
相手は分かりやすくドン引き。そりゃそうだろうけど。そして無言で去っていった。
「ちょ、彩花！いきなり何！」
「解決できたからいいでしょ、親友といるための手段だし」
うーん、そうだけど、周りの視線が痛い…
「まあいいや、ありがと」
「よきにはからえ」

後日、私と彩花が付き合っているという噂が流れたのは言うまでもない。

いやいや、付き合ってません！誤解です！